【5】磨きすぎは、虫歯になりやすくなる

 歯を磨きすぎると、歯の表面のエナメル質が薄くなり、虫歯菌に弱くなってしまう。「特に、50歳を過ぎると歯ぐきが下がって、やわらかな象牙質が露出しやすくなるので、磨きすぎが歯の大きな欠損につながることもあります」。硬め歯ブラシ、ゴシゴシ磨きはNG。

【6】昼はデンタルフロスだけでもOK

 日中につく歯の表面の食べカスなどは、だ液や舌の動きで取れるが、歯間はその場に停滞して歯垢につながりやすいのでケアが必要。また、歯間を清掃することでだ液の通り道が作られ、自浄作用がアップするというメリットも。以下は森先生の1日。

・起床後…デンタルフロス→音波歯ブラシ(3分)
・朝食後…デンタルフロス→舌回し(1分)
・昼食後…デンタルフロス→舌回し(1分)
・就寝前…デンタルフロス→音波歯ブラシ(3分)

<舌回しでだ液UP!>

 口を閉じて、舌先を右上のいちばん奥の歯ぐきと頬の間に置き、歯の外側をなぞるように右上から左上、左下から右下へ舌を移動する。この1周を10回。反対回しも10回行う。だ液の分泌を促すことで、口内の食べカスを洗い流し、歯垢ができるのをガード。さらに、「舌がしっかり動くようになるので、そしゃくや嚥下、呼吸機能も高まり、老化防止にも役立ちます」

【7】継続的な出血は、歯間ケアをしてこそ回復

 出血が頻繁に起きる場合は、歯肉炎や歯周病の可能性が。「磨き続けることで、逆に炎症がおさまり出血が止まります。やさしく磨き続けましょう」。ふだん出血しないのに出血したときは歯ぐきに傷ができている場合があるので、やめておくこと。

【8】うがいは1回、少量の水で行う

 何度もうがいをすると歯磨き剤の効果が激減!「フッ素などの薬効成分が流されてしまうので、歯磨き後は軽いゆすぎを1回でOKです」

【9】歯ぐきは歯ブラシで軽くマッサージ

 塩を使うのは意味なし。歯ブラシで歯ぐきをくるくるとマッサージすれば、だ液の分泌を促したり、歯ぐきの血行促進につながる。「上の奥歯の頬側への刺激もだ液が出やすくなるのでオススメです」

<教えてくれたひと>
森昭先生◎竹屋町森歯科クリニック院長。癒しの予防歯科を啓発するMDE(メディカル&デンタルエステ)協会会長。だ液に注目した臨床歯科の第一人者でもある。著書に『歯はみがいてはいけない』(講談社)など。