私のチームは、日本で一番多くこの移植を手がけており、その事例は400を超え、大きな成果をあげているという自負があります。副作用が一切なく、浣腸するだけで容易に腸内細菌を整えるこのノウハウをぜひ頭の隅に入れてほしいと願っております。

 もちろん病気だけではなく、アンチエイジングなどの美容と健康にも腸内細菌は大きな力を持っています。

 いわゆる老化とは、分子生物学的には「細胞の酸化」です。シワやしみ、たるみなどの肌の老化だけではなく、あらゆる病気の原因もこの「酸化」だと考えられています。

 そこで必要になる水素は、身体でできた悪い酸素(活性酸素)と結びつくことで、この細胞の酸化を遅らせてくれる働きがあります。

 しかし、水素というものは身体に必須の物質であるにもかかわらず、体内への取り込みが非常に難しいのです。

 こんなことを言うのは心苦しいのですが、美容や健康に関心の高い方の間でブームとなっている「水素水」。これに含まれる水素は、口から摂取してもほとんど体外に排出されてしまうので、ただ飲めばいいというわけではありません。

 でも心配ありません。実は、人間の身体は水素をうまく取り込む機能を備えており、老化の速度を遅らせようとしてくれているのです。その機能を担っているのが腸内細菌たちなのです。

『うんちのクソヂカラ 腸内フローラ移植のミラクルワザ』清水真著(晩聲社)※記事の中の書影をクリックするとアマゾンの紹介ページにジャンプします

 その腸内細菌を上手に育てて働いてもらうにはコツがあります。

 まず食事において食物繊維を意識するようにしましょう。食物繊維は消化器官の中で、腸内細菌のためのエサになるからです。食物繊維が多く含まれるのは、野菜・海藻・納豆などです。これらを摂ることによって、腸内細菌たちも元気に働いてくれます。

 それから、水をたっぷり飲むように心がけましょう。細胞の酸化、つまり老化を防ぐために必要な水素ですが、これを作る材料になるのが水です。

 水素水はあまり意味がないと言いましたが、水分を摂取するという意味では決して悪いことではありません。普通のお水でいいので、水分をたっぷり身体に補給してください。

 いつまでも健康で若々しくあるために、私たちの腸内細菌を大事に育てようではありませんか。


清水真(しみず・しん)◎1959年生まれ。まことクリニック副院長 臨床検査技師、臨床工学技士、大阪工業大学工学部応用化学科卒業。35年間の腸内細菌の研究により、生着しやすい腸内フローラ移植の菌液を開発。いち早く腸内フローラバンクを設立し、80人以上のドナーの中から最適なフローラの組み合わせを選んで菌液を作成。著者の参加する移植チームは400例の移植で注目すべき成果をあげている。