誰もが持っている“心の武器”とは

 人は誰しも心に“三種の神器”を持っているという。

「~したい」という原動力である「WANT」、その「WANT」の力をさらに高める「イマジネーション(創造性)」、そして心の視点の高さである「マインド・ビューポイント」。この3つを使いこなし、「マインドスイッチ」を入れることで人生は輝き、抱えていた悩みもたちまち消えるのだそうだ。

マインドスイッチは誰もが持っている心と脳の法則なのですが、その法則を知らずに人生を難しくしている人が非常に多いのです。それは交通ルールを知らないで事故に遭うのと同じようなもの。好きなように勝手に運転しても決してうまく走れないでしょう? 『こうしたい。ああしたい』と言うだけでは、うまくいくはずがありません」

 そんな「心の武器」を扱うためには、何気なく行える日々の努力が不可欠だという。

「それはトップアスリートでも、子どもでも同じこと。日々やっていることがすべてなんです。たった1回の本番のために、数え切れないほどの練習を毎日重ねた人だけが、素晴らしい結果を得られるんです

トラウマをやめるという選択が可能

 日々、自分の心と向き合い、心の力を使えば理想の人生が手に入る。それでは、何から始めたらいいのだろうか?

 久瑠さんの最新刊『マインドスイッチ365の極意』では、自らの心と向き合うための“極意”が365項目入ったバイブル的な本になっている。

「日々自分の心と向き合うために何をしたらいいか? という質問をされることが多いのですが、今回の本はその“答え”として作りました」

 365項目の中には、ひと言の「名言」のようなものもあれば、ちょっとした時間にできるワークなどさまざま。言葉を耳でとらえるのではなく、感じとるイメージでとらえることが大切なのだそう。

ひとつのことを学ぼうとするとき、多くの方はとにかくまず知識を得ようとする。すると勉強のための勉強が始まり実践に弱くなる。“まじめ”さが武器になっていないことが多い。それを私はとても残念に思います。何よりひとつの言葉からどれだけ感動を得られるのか、心を動かされるのかが大切。自分自身の心にフォーカスをして、言葉を自分自身のものにできるかどうかは、知識とは別のところで起こります」

 トラウマや心の傷も、潜在意識の力を使えば、自ら立ち直ることができるようになれるという。

「『傷ついた』と認識しているのは表層意識で、潜在意識にアプローチをかければ、今日から立ち直れるんです。トラウマをやめる、という選択をするイメージです。でも表層意識が邪魔をしてしまうんですね。このメンタルブロックをはずすということは、たとえるなら自転車の補助輪をはずすようなもの。絶対に転ばないけど、それをはずすことができるといかに邪魔なものだったかわかるもの。それが潜在意識を使って生き始めるということです。

 どんな自分の心でも受けとめてあげるために、一生のうちたった1年、自分に向き合うことを今回の本と一緒にやってみてほしいんです。他人のおこぼれをもらう人生ではなく、自分自身が主役の人生を、胸を張って輝かせていってほしい。私は、そう願っています

<プロフィール>
くる・あさみ メンタルトレーナー。「フォルテッシモメンタルルーム」代表。日本芸術療法学会会員。日本産業カウンセリング学会会員。日本心理学会認定心理士。アスリートのみならず広く一般のメンタルトレーニングを行う。