8月20日の放送されたNHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』の第33話『嫌われ政次の一生』で高橋一生演じる小野政次が非業の死を遂げた。  

 予想もしなかった彼の壮絶な最期に「これって、どういうことなの!」と驚きの声をあげた人も多かった。

 そのシーンを簡単に振り返ってみると、井伊谷三人衆の一人、近藤康用の策略で囚われの身となった政次がついに処刑されることに。

《白黒つけむと君をひとり待つ 天つたふ日ぞ楽しからずや》

 直虎に辞世の歌を残し刑場に向かった政次は、磔台に縛られる。いよいよ刑が執行されるその瞬間、雑兵から槍を奪った直虎が自ら政次の胸に槍を突き刺して罵倒する。それに対して政次は口から血を吐きながら直虎を罵り返すーー。

 これはすべて直虎を守るための芝居であることをファンもわかっていて、『おんな城主 直虎』の公式ツイッターには《自己犠牲という名の愛》《究極のラブシーン》などと書き込みが殺到。視聴率もわずかではあったが、前回より0・4ポイント上昇して12・4%。

 しかし喜んでばかりはいられない状況が。

「大河ファンがすべて歴史を知っているわけじゃないですから、特に女性ファンの中には政次は最後まで生き残ると思っていた人も多いんです。だからファンの間に“政次ロス”が広がってしまったんですね」(テレビ誌ライター)

 その結果翌週の視聴率はマイナス1・2ポイントとなってしまった。

「今回の大河は視聴率があまりパッとせず、高橋の人気で支えられていたところがあったんです。それがなくなってしまい、NHK内部でも“殺すのが早かったんじゃないか”なんて声が上がっていますよ」(前出・テレビ誌ライター)

 そのため、いまいちど視聴率上昇を狙う“政次復活”プランが練られているという。

「回想シーンでは登場するでしょうが、それでは熱狂的なファンは納得しないでしょうね。別の人物となって登場することも考えられます。

 『直虎』ではすでに乳母のたけが引退した後、たけの姪の梅が登場しますが梅沢昌代さんが2役を演じています。ただファンは政次の直虎に対するある意味“ツンデレ”の演技にキュンとしていたところもあって、できれば政次の高橋さんを見たいんです」(シナリオライター)

 そして、ここにきてこんな仰天プランが浮上してきているというのだ。

「政次は死んでいなかったというシナリオです。ファンの中には政次は生きていると思っている人が多いんです。

 それはあの処刑シーンにはいくつか疑問が残るからなんですが、もともと政次を処刑する役割の雑兵がとどめを刺していないこと。斬首された様子もなく、埋葬や弔いのシーンもありません。

 編集上カットされたか、初めからなかったのわかりませんが、しかしこれは好都合でした。示し合わせて直虎がわざと急所をはずし、政次は龍雲党の柳楽優弥たちが埋葬すると見せかけてどこかに隠したというシナリオを考えているようです。

 政次は元々資料が少ない人物ですし、大河ドラマはあくまでドラマです。視聴者が楽しめればいいので、必ずしも史実と合致する必要はないんです」(前出・シナリオライター)

 高橋の再登場を願うファンにNHKはどう応えるのか。

<文/佐々木博之>