加入中の火災保険のここをチェック

 公的支援だけで生活を再建するのは難しい。ファイナンシャルプランナーの平野敦之さんによると、

「台風やゲリラ豪雨などによる洪水や高潮、土砂崩れなどで住宅が被災した場合、火災保険にある“水災”という補償でカバーします。津波の場合は地震保険です」

 すべての火災保険に水災補償はついているの?

「たいていの火災保険は大丈夫。ですが最近は、自分で補償内容から水災をはずしたり、逆に加えたりできる商品もあります。水災がなければ、当然、月々の支払いは安くなります」(平野さん、以下同)

 加入している火災保険に水災補償があるかどうか、まず確認!

「水災での保険金の支払いは“床上浸水”“地盤面から45センチ以上”“建物評価額の30%以上の損害”などが基準です。一般的に、床下浸水だと支払われません」

 浸水してテレビや冷蔵庫が使えなくなったときも、カバーしてもらえる?

「建物しか火災保険をつけていなければ補償されないため、家財にも火災保険が必要です。月々の支払い額は上がりますが、これもつけていれば安心ですね」

 豪雨などで自動車が水没した場合は?

「そもそも自動車保険には、自賠責保険と、自賠責保険ではカバーしきれない部分を補償する任意保険の2つがあります。台風や洪水などによる自動車の損害は、任意保険のうち“車両保険”に加入していれば補償されます。

 ただし、車両保険は月々の支払いが高額です。同じ任意保険でも、対人対物賠償は7割くらいが加入していますが、車両保険に入っている人は4割くらいになりますね」

※被災者支援に関する各種制度の概要
http://www.bousai.go.jp/taisaku/hisaisyagyousei/seido.html

<解説してくれた人>

◎小口幸人さん
弁護士。南山法律事務所代表。日本弁護士連合会災害復興支援委員会委員をはじめ、災害対策や復興支援の委員を多数務める。災害支援の制度や法律に精通

◎平野敦之さん
ファイナンシャルプランナー。平野FP事務所代表。『All About』損害保険ガイドを約14年務める。近著に『いまから始める確定拠出年金投資』(自由国民社)