氷川きよし  撮影/廣瀬靖士
氷川きよし  撮影/廣瀬靖士
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 40本のバラには“真実の愛”の意味があるようだけど?

「素晴らしいですね! 僕、思ったんですけど、結局、この世の中でいちばん大事なのって、愛。愛しか信じられない。愛がすべてだと思うんです。お金は血液と同じで、まわっていくための手段でしかなくて。もちろん、必要ですよ(笑)。でも、そこに気持ちがなかったら寂しいし、孤独だと思うんです。人間として、嫌なことや厳しいことも言ってくれる人が、(デビューして)18年間ずっと周りにいてくれていることは、本当に愛情だと思っています」

自分が亡くなっても残る作品

 では、30代でやり残したことがあるとしたら?

「結婚? やっぱり、両親に孫の顔を見せたいし、自分も子どもが欲しい。一方で、周りの人に恵まれているから孤独は感じないし、ひとりでいるのが楽だったりもして。たぶん、このまま10年くらい時間がたっちゃうんだろうなぁ」

 30代最後の日にリリースされるのは、今年の勝負曲である『男の絶唱』D・E・Fタイプ。

「『男の絶唱』は10年後、20年後も歌える作品だと思っています。だからこそ、1年かけて大切に歌って、多くの方に届けられるようにしたくて。ただ、カップリングにはすごく悩みましたね。

 それぞれ、全然違うタイプのものにしたかったので。オーバーかもしれませんが、自分が亡くなった後も残っていく作品ですから。キチンと責任をもってやる使命がある。最近、あらためてそう感じています」

 大人の演歌歌手としての自覚と誇り。もう貴公子やプリンスではないのかもしれない。だって、氷川きよしは、歌謡界の“要”なのだから――。

9月5日に発売された『男の絶唱』 ※記事の中でCDの写真をクリックすると、アマゾンの購入ページにジャンプします

<リリース情報>
『男の絶唱』
カップリングは【D】『酒場のひとりごと』、【E】『芝浜恋女房』、【F】『片恋のサルサ』(写真はFタイプ)各1204円。発売/日本コロムビア