(4)支払う金額が大きいため、その月の支出予定を狂わせる

 大量まとめ買いをすると支払う金額も大きくなるため、そのあと使えるおカネの管理がしにくくなる。これはひと月分の買い物なのか、それとも数カ月これで持たせるのか、なかなか計算できないだろう。食品の大量買いも、これを1週間で食べきるつもりか、それとも半月分なのか、そこで正しくジャッジしないと、その月にあといくら使えるのかわからなくなる。

 ここまで「大量買い」に関する懸念を述べてきた。筆者自身は、大量買いによる割安は金銭感覚を鈍らせ、ムダ出費の言い訳にもなり、節約に逆行するという立場をとる。

 コストコの商品は、食品でもおおむね1品1000円以上の値段がついていて、通常のスーパーなら手に取るのを躊躇するのに、なぜかお客はどんどんカートに入れてしまう。この時点でおカネを使い過ぎているのでは……、という罪悪感はすっかり消えている。それは危険だ。適量を適価で買うことが、王道のおカネの使い方なのだ。心底節約したい人は、コストコには近づかないほうがいいだろう。

 しかし、これだけの人気があるということは、知恵を絞れば利用術もあるはずだ。せっかく年会費を払ってコストコ会員になった人向けに、どんな物を買えばいいのかを考えてみた。コストコファンが大好きな商品は出てこないかもしれないが、悪しからず。

当記事は「東洋経済オンライン」(運営:東洋経済新報社)の提供記事です
すべての写真を見る

目新しい商品に飛びつくのはキケン

 ムダ買いにはならないと筆者が考えるのは、以下のものだ。

●普段から使っているおなじみの商品を選ぶ

 コストコにはわれわれがよく目にするナショナルブランドの商品も多く並んでいる。いつも自分が他の店で買っている商品なら値段が頭に入っているので、大量パックの価格が妥当か肌感覚でわかる。さらに、消費するペースも想定できるから、使い切れる量かどうかも判断しやすいだろう。

 ちなみに筆者がこの前買ったのは、「ミツカンの味ぽん」1リットル入りペットボトルだった。値段が399円だったのだが、普通のスーパーでは360mlで198円程度だから、これは十分安い。

 しかも、わが家ではポン酢は大活躍する調味料で、ごま油と合わせれば中華風ドレッシングができるし、餃子や焼き肉のたれとして使ったり、煮物の味付け調味料にも使うので、十分使い切れると判断した。物珍しさやパッケージの華やかさに惹かれて初めての商品を大量に買うのは、失敗のリスクがある。おなじみの物をまずは買うのがベターだろう。