これが格安スマホの“デメリット”

【デメリット・1】大手キャリアよりサポート力は↓

「国民生活センターに寄せられた格安スマホに関する相談で、“問い合わせ先が電話窓口しかない”というものがあります。これは、実店舗を持たない格安スマホなら、実は当たり前のこと。

 大手キャリアを利用していると、全国に店舗があり、困ったら相談に行くなど、高い料金の見返りに手厚いサポートを受けられたわけです。格安スマホでも、窓口を設けている会社もありますが、大手のようにくまなくあるわけではありません」

 ほかにも、故障した際に代替機を貸してもらえないなど、格安スマホを使う場合、大手キャリアのサービス内容とは異なっていることが多い。

「僕は昔、“ググれない(検索できない)人は格安スマホには向かない”と言ったことがあるんですが、ネットを使うなどして、自分で情報収集できない人は難しいと思います」

 とはいえ最近は、実店舗でのサポートを受けられる格安スマホも増えているそうなので、購入前に確認を。

【デメリット・2】キャリアメールが使えない

 特にガラケーから乗り換える人は、こちらに注意!

「キャリアメールとは、大手携帯会社が独自に提供する電子メールのサービスのこと。具体的には、docomo.ne.jpや、softbank.ne.jpなどを指します。格安スマホに乗り換えると、このメールアドレスは使えません。

 携帯電話各社が提供していたアドレスなので当たり前といえば当たり前なのですが、国民生活センターに、メールが使えないという相談が寄せられています」

 格安スマホに乗り換えた場合、ウェブメールなどのアドレスに切り替えなければならない。さらに、パソコンからのメールを受信できない設定の人もいるため、友人にその旨を知らせる必要がある。この作業が厄介で、ハードルが高いと感じる人も多いはず。

「この機会にキャリアメールをやめて、Gmailなどのネット上で使用可能なウェブメールへの移行をおすすめします。これなら携帯会社が変わっても、そのまま使えるので便利です」

【デメリット・3】時間帯によってスピードダウン

データ通信のスピードが時間帯によっては遅くなる。具体的にはお昼時の12時から13時。格安スマホの各社とも、うちはスピードが速いって言いますが(笑)、これは各社とも共通の傾向です。動画視聴は厳しいし、画像ですら出てこないことが。平日18時から20時もけっこう混雑する時間帯です」

 格安スマホの回線は大手携帯会社から借りているはず。同じ回線を使っているのに、なぜ遅くなるの?

「格安スマホというのは、ドコモやauから借りてきた回線を、何人で利用するかによってコストが変わるんです。例えば、1GBの回線に100人だったら余裕です。でも、値段を下げようと1GBの回線を10万人で使わせようとしたら、月額は安くできるけど、混雑時には全然つながらない。イメージ的には新幹線の一車両を借りてる感じ。運賃は安いけど、一車両にぎゅうぎゅう詰めで乗り心地が悪いみたいな状態です」

【豆知識・1】最新機種は使えない

「格安スマホには、最新の機能を搭載した高性能のハイスペックモデルはありません。それが使いたいなら、格安スマホにはやはり向かない。格安スマホは、3万円から5万円ぐらいの中堅クラスのモデルが主流。一般ユーザーの普段使いには、この中堅モデルくらいで十分です」

【豆知識・2】悪徳業者にはご注意を!

「200社以上もいると中には悪徳業者も。サポートの電話をしても、まったくつながらないこともあるとか。某社はデータ通信のスピード比較サイトではいちばん速いけれど、YouTubeなど動画サイトに規制をかけ全然再生できない。対策はネットの評判を見たり、格安スマホユーザーに聞くのもアリ」

<解説してくれた人>
三上洋さん◎ITジャーナリスト。スマートフォン(料金、業界、有害サイト対策)などを専門とし、テレビ出演なども多数