全国を回る“旅公演”は、僕たち俳優にとっても常設の劇場の公演とは違った魅力があります

 こう語るのは現在、12月までに全国70都市以上を回るミュージカル『アンデルセン』で、主役のハンス・クリスチャン・アンデルセンを演じるWキャストのひとり、鈴木涼太。

 劇団四季といえば、『ライオンキング』や『オペラ座の怪人』など常設の劇場で公演を行っている印象が強いが、カンパニーを組んでいろいろな都市を巡演する活動も行っている。

「『アンデルセン』の劇中歌に“今日ぼくは 着いたのだ 歌いながら ワンダフル ワンダフル すばらしい町”という歌詞がありますが、旅公演はまさにこの気持ちです。新たな公演地に着くたびに、その土地のお客さまに最高の舞台の感動を届けようと、気合が入ります」

 何か月もかけて全国のいろいろな場所を巡るため、普段では思いもしないハプニングも。

俳優たちで日常業務的なことをいろいろと担当するのですが、あるときは全員分の次の公演地までの切符を、劇場のロッカーに忘れてきてしまった人もいました。幸い、電車に乗るまで余裕があったので、あわてて取りに戻って間に合いましたが、あのときはちょっとハラハラしましたね(笑)」