浦井 アハハハハハ! その番組でマモちゃんがヴォイスプレゼントをしてて。「僕は何たらで何たらで……愛してるよ」みたいなことを言うんですよ。それをゲストの我々に振ってくれたんで、先に僕がやって、「はい、次は元基」って振ったら、も~。「僕、そういうの無理~」ってなって(笑)。

平方 一応やったんだけど、もう耐えられなくて、ウワ~ってなって。「マネジャーNG出して~! 絶対、無理無理無理」って(笑)。そういうのホント恥ずかしい。役だったらできるんだけど。

浦井 役だとあの手この手で攻めるんですよ~(笑)。

平方 正直、入り待ちとか出待ちとかもすっごい恥ずかしいんですよ。役がないときの自分は、もう消えてなくなりたいくらい嫌で。ホントはすごい自信ないんだよ。役があるから、やっと皆さんに見ていただけるけど、それ以外のときはホントに見ないでほしい(笑)。

浦井 アハハハハハ! 俺、こういう元基が大好き!

浦井健治、平方元基 撮影/森田晃博
浦井健治、平方元基 撮影/森田晃博
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いつ役になるスイッチが入るのか知りたくて、健ちゃんの楽屋に行ってた

――平方さんから見て浦井さんのかわいいところは?

平方 え! 基本的にそのままでかわいいでしょう、浦井の健治さんは(笑)。ただ、カチッとスイッチが入って舞台上でバンってやってるものを見ると、やっぱり兄貴だなと思う。本番中に舞台袖とかですれ違うときにも、しゃべりかけられない。

浦井 ほんとに?

平方 しゃべりかけらんないよ~。集中力がすごいんだと思う。なんか、集中力すごそうなタイプに見えないじゃないですか? 健ちゃんって。

浦井 普段は集中してないんだよ(笑)。

平方 普段、俺としゃべってるときは、集中力を要さない会話が多いから(笑)。いつ役になるスイッチが入るのか知りたくて、『王家(の紋章)』のときも健ちゃんの楽屋まで行くわけですよ。

浦井 っていうか、元基はいつも誰かの楽屋にいるさびしん坊(笑)。

平方 うん。健ちゃんがメイクしたりカツラつけたりしてる間、健ちゃんのヨガマットでゴロゴロしてた(笑)。

――それで浦井さんが役に入る瞬間は目撃できたんですか?

平方 俺がいるとやかましいから、たぶん変身できないんだと思う(笑)。

浦井 (笑)。でも、真面目に答えると『ヘンリー六世』以降くらいから全く緊張をしないで、板の上と楽屋、同じスタンスで、そのまんま立てるようになったんです。結局自分は自分なんだから、それ以上のことは出せないんだって無理をしなくなった。だから、実は7割しか役には入ってなくて、あと3割は空白にしてるんです。それは手を抜いてるんじゃなくて。

――空白にしてる3割は、俯瞰(ふかん)で見ているような感じ?

浦井 それに近いですね。あと山口祐一郎さんが、王に見せるのは周りの仕事だからって言ってくれたんです。だから、そういうふうに元基が思ってくれたってことは、スタッフさん含めて周りの人たちが、僕を王として扱ってくれてるからそう見えるだけなんだと思う。

平方 う~ん。健ちゃんは器が大きいから、舞台の上で冷静だし、見せ方をすごくわかってるんだなって思う。無理してないから、お客さんもそれを素直にスッと見られるんじゃないかな。そのスマートさはマネしたい。