地域と共存しながら地元の発展を目指す

 北海道では無敵のセイコーマートだが、道外では埼玉、茨城に一部店舗があるのみ。今後、全国展開の予定はあるのだろうか?

「今のところ予定はありません。いわゆる“3強”と呼ばれるコンビニさんたちと戦おうとは考えていません。それより、セイコーマートにしかない商品を、みなさんに好きになってほしい。私どもは、地元のお客様に足しげく通っていただける店づくりを目指しています」

 ほかのスーパーやコンビニが撤退してしまった人口減少地域や離島に出店し、自治体と連携しながら住民のライフラインを支え、買い物難民の解消にもひと役買っている。

8月にオープンした紋別市・上渚滑店。買い物難民対策で市が誘致、建設費を補助した。イートインコーナーはバス待合所も兼ねる
8月にオープンした紋別市・上渚滑店。買い物難民対策で市が誘致、建設費を補助した。イートインコーナーはバス待合所も兼ねる
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「われわれが北海道で頑張っていくには、地元の方と一緒に頑張っていく必要があります。過疎地の出店は、特に地域に密着しますね。アルバイト募集を回覧板で回してくださったり、イートインコーナーを町内会の会合で使ってくださったりと、住民の方の協力なしでは経営が成り立たないんです」

 根底にあるのは、自分たちはあくまで、北海道の企業であるという思い。

「この土地では、進む高年齢化に向き合わなくては企業が存続できません。日常的に買いやすい価格の商品を、今後も提供していきたいです」

 ちなみに店舗展開はなくとも、北海道の原料を生かして北海道で加工した商品を本州のスーパーに卸しており、また、北海道ブランドの商品を通販したりする計画はあるそう。北海道の強みを最大限に生かす姿勢は、ほかのローカルコンビニにもヒントを与えるのではないだろうか。

「おいしさを通して、北海道のよさを知っていただけたら幸いです。セイコーマートの味を、ぜひ1度お楽しみください!」