まもなく平成が終わる。

 今、日本は大きな転換期を迎えようとしている。それと同じく、ジャニーズにも大きな転換期が訪れている。

 まずは昨年末に解散したSMAP。そして、今回注目したいのは今年の9月に活動休止を発表したタッキー&翼である。

 タッキー&翼といえば、ここ数年、ふたりでの活動が減少傾向にあった。年に1回コンサートがあればよいという状況であったし、はっきり言って、それを観に行ってもバックについているJr.ファンの方が多いということもあった。

 もしかしたら平成生まれのジャニヲタ達はタッキー&翼のすばらしさをよく分かっていないのではないか……とも思ってしまう。

 いや、今はそんなに目立った活動をしてないけど、タッキーも翼も本当にスゴい人たちなんだ! あの人たちがいなかったら嵐もNEWSもキスマイもいなかったかもしれないんだからね、と声を大にして言いたい。

 そう思っているアラサー以上のジャニヲタも多く

若い子らはしらんじゃろうが、タッキー&翼はな……

 と、まるで昔話を語るおばあちゃんと化してしまった。

 ここで、タッキー&翼がいかにスゴかったか見てみよう。

1)黄金期を牽引

 Jr.には黄金期と呼ばれた時代があった。

 関東はタッキーを筆頭に、現在の嵐のメンバーや山PなんかもJr.だった時代。

 『8時だJ』(テレビ朝日系)という番組がやっていたころ、といえばジャニヲタでなくともわかるかもしれない。

 ゴールデンタイムでJr.だけでバラエティをもつという、今考えたらあり得ない好待遇だった。さらに、Jr.がゴールデンタイムのドラマで主役をはることが多かった。

 また、現在のデビュー組が多いのもこのころの特徴である。

 そんなJr.をまとめていたのがタッキー&翼であった。

「自担(*ジャニヲタが特に注目するジャニーズタレントのこと)は、タッキー&翼にお世話になりました」という人は数えきれないのではないだろうか。

2)『REAL DX』の破壊力

 活動休止前最後の『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)でも披露されたこの曲。

 もしジャニーズの「高まるイントロランキング」があったら上位にノミネートされるであろう楽曲だ。「この曲のバックにつく自担をもう一回みたいランキング」があっても必ず上位に組み込むと思う。

 そのほかにも、タッキー&翼の楽曲は“ジャニーズ歌謡感”が一番強く、聞いたことのない人がいたら是非聞いてみてほしい。

 というか、貸しますほんとに……。

3)タッキーの裏方力

 そして、とにかくタッキーの裏方力がすごい。

 近年のジャニーズタレントを見ると、衣装や照明、演出や振付に関わることも多くなってきた。

 その元祖がタッキーであるように思う。

 10年以上前から後輩(NEWS、SnowManなど)のコンサート用映像の撮影や編集をしたり、後輩プロデュース(舞闘冠)なども行っている。その上、自らの舞台『滝沢歌舞伎』の演出も担当しており、そこで使用する小道具なども自ら作ってしまう。

 最近ではバラエティ番組でも家のリフォームをそつなくこなしており、そのあたりの裏方さんよりマルチだと思う。

 もう、タッキーはジャニーズ事務所に欠かせないスタッフのひとりでもあるのだ。

 このように、彼らはジャニーズタレントの根幹と言ってもいいグループだった。そんなグループの活動休止。

 胸騒ぎがするのは、私だけではないはずである。


<著者プロフィール>菱ユーキ(ひし・ゆうき)◎ライター。ヲタク経験値レベル100。ジャニヲタ歴30年。アラサーヲタクの代弁使。かつてはメルマガで約1万人以上もの購読者を誇る。

<イラスト>星野グミ子(ほしの・ぐみこ) ◎イラストレーター。バンドや俳優、アニメなど何かといろんなジャンルの沼にはまりがち。オフィシャルブログ『ハマったもん勝ち 沼ガール!』を運営中。