ミンククジラの体重測定。写真提供/(一財)日本鯨類研究所
ミンククジラの体重測定。写真提供/(一財)日本鯨類研究所
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・学校給食週間にはよく出ます

 IWCが管理対象としているのは、約80種類いる鯨のうち、シロナガスクジラやザトウクジラ、ミンククジラなど13種類。

「日本の調査で捕獲する鯨は、その中のイワシクジラとミンククジラです。調査後の鯨は、可能な限り加工して利用するよう国際捕鯨取締条約で定められているため、鯨肉は副産物として持ち帰ります

 つまり、食べてもいい?

「はい、もちろんです」

 と言うのは、日本鯨類研究所から鯨肉の販売委託をされている共同販売の大川敏弘執行役員。

「鯨肉は、中央卸売市場などの市場用、加工業者などの一般用、公益用の大きく3つに分けて販売しています。公益用は、食品アレルギーで畜産品などが食べられないお子さんに向けた医療用や学校給食用などを指します」(大川役員、以下同)

 ’86年の最後の南極海商業捕鯨で、約1万トンの水揚げがあったミンククジラだが、調査捕鯨となった’87年には約1000トンにまで激減したという。

「当時、鯨肉の末端価格が極端につり上がってしまったんですが、公益用には特別価格での提供を続けてきました。今は年間100~200トンくらい、給食用に振り向けています。学校給食週間(1月24日~30日)にはよく出ます。

 あとは、鯨にゆかりのある自治体ですね。主に、北海道の網走、釧路、函館、浜中町。東北なら宮城県の女川町石巻市。そして、南房総市(千葉県)、太地町(和歌山県)、下関市(山口県)、長崎市などです。なかでも和歌山県は、県としても盛んなほうだと思いますよ」