ちゃんと考えて悩んでるなって姿がすごくよかった

――どんな感じでお互いを知って、親しくなっていったんですか?

加藤 僕はどちらかというと自分から「こうですよね」って言ういう人じゃないんですけど。アッキーさんが、2人のシーンだったり作品のことに関して「どう思う?」っていう意見をすごく求めてきてくれたので、そこで僕も心の扉をパッと開いて「自分はこう思います」っていうやりとりをしていく中で、けっこう会話も増えていった感じですね。

中川 そうだったね。今、言われてだんだん思い出してきた(笑)。

加藤 アハハハハ!

中川 やっぱり稽古場の段階を踏んでいく中で、悩んでない人じゃないなっていうのがわかったときに、“だったら大丈夫だろう”って思ったんですよ。どんな悩みでもいいんです。何か取り組んでる中で、“どうしたらこうなるんだろう?”ってちゃんと考えて悩んでるなって姿がすごくよかった。あとWキャストだと相手が変わるので、一本の筋は何なのかっていうのをちゃんとお互いに認識し合うことがより大事なるんですけど、稽古を重ねて会話することで寄り添えたというか、信頼関係が生まれてきた。わかってくれてるから大丈夫って思いがベースにあるから、稽古(けいこ)で日々、違うアプローチが生まれても、さらに大切に感じあえた。そんな相手役でした。

中川晃教、加藤和樹 撮影/廣瀬靖士
中川晃教、加藤和樹 撮影/廣瀬靖士
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――2人が盛り上がるのはどんな話題ですか?

加藤 アッキーさんってすごい不思議で。雑談とかはなくても、受け入れてくれるっていうか。だからほんとに本番前とかも、目を合わせるだけで通じ合える何かがあるって、すごく感じでたんですよね。言葉じゃないんだなって。

中川 うん。

加藤 だからすごく珍しいタイプなんですよ。けっこう同世代の役者だと一緒に芝居して、ワサって盛り上がって、あのとき楽しかったね、とかいう人ってわりと多いんですけど。

中川 なんか寂しいの?

加藤 いや、でもそれがすごく深いってことなんだなって思って。

――でもすごく近しい感じをお互いに思っているってことですもんね。

加藤 はい。すごく居心地がいいというか、安心するんですね。だから今日もアッキーさんと一緒で超うれしいし。

中川 アハハハハ!