ほかの世代の女優と違って、どちらかというと、のんびりしているように見えるのは、彼女たちが“ゆとり世代”に当たるからかもしれないと、家族問題評論家の池内ひろ美氏は指摘する。

“可能性を摘まなかった親”のおかげ

「いわゆるゆとり教育は、型にはまらず、自由に羽ばたきましょうという方針でした。“あなたのやりたいことを自由にやりなさい”というわけですから、女優という自由業の人たちにとってはぴったりの教育ですね」 

 '93年生まれは小学校低学年からゆとり教育が始まっているから、それまでの詰め込み教育は経験していない。

「親世代が娘たちに自由な生き方を求めたことも大切な要素でしょう。彼女たちの親は、団塊ジュニアやバブル世代です。自由を求めていましたが、当時は俳優やミュージシャンになりたいと言っても“食えないからやめなさい”と常識論で止められていた世代。

 だから子どもには自由に生きてもらいたいと考えるのでしょう。“可能性を摘まなかった親”のおかげで、'93年生まれの彼女たちが女優としてのびのびと活動できているという面もあると思います」(池内氏)

 夢にチャレンジする人が増えれば、優秀な才能が発掘される可能性も高くなる。

「時間を持て余した子どものために、児童劇団が急激に増えてきたのもこの時代ですね。親は土日に家にいる子どもにずっとついているわけにもいかないので、以前は習い事に行かせることが多かったんです。このころから劇団に入れるという選択もできるようになりました。劇団では礼儀作法も教えてくれますから、親にとってはありがたいんです」(池内氏)

 当然ながら、この世代は男性の俳優もすごい顔ぶれが並んでいる。

「菅田将暉、福士蒼汰、竹内涼真、神木隆之介、野村周平、間宮祥太朗などが'93年生まれです。今をときめく若手たちで、“花の平成5年組”と呼ばれていますね。イケメン俳優という枠でとらえられがちですが、彼らはみんな演技派でもあるんですよ」(前出・スポーツ紙記者)

 また、'93年生まれは、物心がついたころから携帯電話やネットが当たり前だった。そのことも、前の世代との違いを生み出しているようで、

「自分を客観視できるんですよ。みんなスマホで自撮りをするじゃないですか。カメラに映ったときに画面の中で自分がどうなっているかを、昔の女優さんよりはるかにわかっていると思いますね。

 プリクラをいちばん使ったのも彼女たちの世代だと言われています。小さいころから自分を客観視することに慣れっこなので、“自分が何を求められているか”をキャッチするのが上手なんです」(池内氏)

 ピュアでカメレオンのように変幻自在、しかも自分をよく知っている。

 '93年生まれは、最強の世代なのかも!