実は、このエピソード、先ごろ出版された『SMAPがいた。僕らがいた』の中で初めて明かされたもの。

 解散したSMAPや、彼らのあとに続いた人気グループのメンバーたちの素顔が、元スタッフたちによって生き生きと描かれている。

 このエピソードの女性のようなファンが出てくるのも、ジャニーズアイドルの魅力ゆえだろう。それを端的に表す場面に出くわしてしまった若手スタッフ。同書には、こんな一節もある。

《「もし、シャワーから出てきたとき、フルチンだったらもっと怒られてましたね。タオル巻いてくれていてよかったです。それにしても、あの女の人にとっては光一さんのそういう姿を見ることができて、死んでもいいくらい幸せだったでしょうね」

 その証拠に、光一がキレまくっている横で、彼女は満面の笑みを浮かべていたという》

 それでも光一は変わることなく、ファンからの熱い支持を誇りにし、王子様であり続けてきたわけだ。

一般人からの「興味ないわ」に落ち込む

 大阪公演では、ほかにもへこまされる出来事が。それは「フィアンセなりすまし事件」とはある意味、真逆の経験だった……。

 会場近くのお好み焼き店でスタッフ数名と夕食を食べていたときのことだ。

「隣の部屋ってジャニーズじゃない?」という声が聞こえてきた。OLとおぼしき女性たちが何か気づいたようだ。ただ、まったく気づかれないのも寂しいから、光一はまんざらでもない表情。

 しかし、続いて「堂本光一みたい」「KinKiでしょ。別に興味ないわ」という会話が。これには、すっかり落ち込んで、

「俺もまだまだやな。今日は飲もう!」

 ビールを追加し、自分で自分を盛り上げるしかなかった。

 バラエティーで仕切り役を務めるなどしっかり者で、メンタルの強さには定評のある光一も、当時はまだ22歳。新人スタッフに芸能界の厳しさを教える一方で、一般人からそれを思い知らされるという苦い経験もしていたのだ。

 同書には、剛がソロ活動をするときのマイペースな様子やそれが許される理由なども綴られている。また、せっかちな光一との性格の違いから2人が不仲になった時期のことも。そんな葛藤を乗り越え、KinKi Kidsはデビュー20周年を迎えたわけだ。

このエピソードのほか、元側近らの証言をもとに構成された『SMAPがいた。僕らがいた』(主婦と生活社 税込み1300円)*クリックするとamazonの購入ページに飛びます
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 剛は現在、2年ぶりの独演会『小喜利の私』(11月2日まで東京・浅草公会堂)を開催中。

「日替わりで芸人さんが天の声(進行役)を務めていて、キングコングの西野亮廣さんや桂三度さんなどが参加しています」(芸能プロ関係者)

 2時間近くひとりでしゃべり倒すとあって、突発性難聴の再発なども懸念されるが、

「漢方薬を1日3回飲んでいると、公演で話していましたね。体調には気をつけているようです」(ファンの女性)

 一方の光一は、ライフワークというべきミュージカル『Endless SHOCK』に出演中だ。

「9月は大阪、10月は福岡で公演していました。今年の3月に1500回公演を達成して、“日本一チケットの取れない舞台”とも言われています」(前出・芸能プロ関係者)

 かつての「硝子の少年」も、30代後半の男盛りに。これからは大人のキラキラ感で魅せてくれるに違いない。