出演作の決め手となるもの

 多くの出演オファーが舞い込む中、國村にとって決め手となるのは、

「楽しむ要素が必ずあるか、という点ですかね。“ここをこうしたらもっと面白いよね”と、現場で面白がってやれることが大切なのかな、と思います」

國村隼 撮影/伊藤和幸
國村隼 撮影/伊藤和幸
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 ちなみに、ギャラとかで決めることってあるんですか?

「ギャラが高いからやる、とかそういう仕事の受け方はしないですね。お金の額で決めていくと、僕らの世界は本当に危険だと思います。儲(もう)けたかったら、別の仕事をしたほうがいいのかなと(笑)」

 役者を続けている理由は、ある“人種”が大好きだから!?

映画に関わる人間って、独立した人種に登録してもいいんじゃないかと思うくらい面白い人ばかりなんです。日本系映画人とか、アメリカ系映画人とか、みんな国は違えど同じ映画人。とにかく無邪気で、素直なんですよ。ときどき“いい年した大人同士が遊んでる感じだな”と思います。こんなこと言ったら、“どれだけ真剣にやってると思てんねん!”ってどこからか怒られるかもしれないですけど(笑)。でも、それだけ楽しいんですよ」

 実は役者と同じくらい、長く続けていることがもうひとつ……。

「釣りは、30年くらい趣味でずっと続けています。海釣りよりは、川や渓流のほうが好きで。釣りだけが目的っていうよりも、山の中の空気がいいし、きれいな水が流れているところに身を置くだけでも楽しかったりするんですよ」

実力派にして、国際派!

 昨年、韓国で700万人を動員する空前の大ヒットとなった映画『哭声/コクソン』で、外国人として初めて韓国映画祭で賞を受賞したのが記憶に新しい。'97年の『萌の朱雀』で映画初主演を飾り、北野武監督作品『アウトレイジ』や朝ドラ『芋たこなんきん』などに出演する一方、『キル・ビル』や『シルク』など海外作品にも出演。近年では、『忍びの国』や『ジョジョの奇妙な冒険』、『鋼の錬金術師』など、常に映画界の第一線で活躍し続けている。

映画情報>

『KOKORO』
出演:イザベル・カレ 國村隼 安藤政信 門脇麦 長尾奈奈 葉山奨之 ほか
11月4日(土)ユーロスペースほか全国順次公開

(c)Need Productions/Blue Monday Productions
(c)Need Productions/Blue Monday Productions