ジェジュンが感じた、役柄との共通点とは

 感情の消耗も激しく、肉体的にも大変だったというピルという役柄。ジェジュンとの共通点はあるのだろうか?

ジェジュン 撮影/廣瀬靖士
ジェジュン 撮影/廣瀬靖士
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「違うところはとても多いんです……。僕は、彼ほど人に対する思いがまっすぐではないですね。そのときによって、大きく揺れてしまうことがあるので。似ているのは、瞬間的に対処して、行動できること。

 例えば、誰かがすごく親しそうに“ジェジュン~!”と、挨拶してくるとします。0,1秒くらいの短い時間で“どなたですか?”というべきか、“お久しぶりです”というべきか考えて返事をするんです。

 80パーセントは“お久しぶりです”と挨拶するんですけど。正直、“知りません”よりうれしそうに挨拶したほうがいいと思いませんか(笑)?

 ピルと似ているのは、そういう前向きな部分。彼の魅力って“直進”するところなんです。決して、後退はしない。

 そこまでしなくちゃいけないの? と思うくらい突き進んでいく。だからこそ、ピルとスジンがハッピーエンドで終わってくれたらいいなと思います」

 愛情を込めて語る。ほかの人に接する態度はちょっぴりいい加減だが、スジンへの愛に関しては、やはり“まっすぐ”で献身的だと言うピル。ジェジュン自身は?

「もし、僕がピルと同じ状況になったら、彼女への思いをあきらめるでしょうね。結婚する彼女の幸せを願って。もし、結婚まで進んでいない、恋愛中の状態なら、直接、彼女になにかをするんじゃなくて、一生懸命にカッコよく生きている姿をなにかの機会に見てもらって、もう1度僕という存在を認識してもらいます。そうしたら、距離が近づくチャンスが来るかもしれないから」

 相手のことをいちばんに思う。芸能界の中でも、友人が多いと知られている彼。その理由が、わかる気がした。

「とにかく、夢中で今回の撮影に臨みました。軍隊に行ったとき、いつも思っていたのは“無我夢中で仕事をしたい”ということ。そういう意味で、願っていたことが実現したドラマになりました」

 記憶に残る作品が、またひとつ増えた。これまでも、アーティスト、俳優、デザイナー……、さまざまなジャンルで彼らしい作品を残し続けている。今後について

「以前は、前に進むこと、自分を育てること、もっと大きくなりたいということばかりを考えていた。いまは、いろいろなことを吸収するキャパシティーというか、自分の心の空間を少しずつ広げるためになにかしてみたいと考えています」

 と語ったジェジュン。次に会うときには、さらに大きな羽ばたきを見せてくれるはずだ。