予算はかかるのに、数字が取れない

「10月の改変期にも、制作会社やスタッフが一新された番組がいくつもありました。とにかく大幅なコストカットを行っているところです」

 と、人気番組を手掛ける放送作家は言う。

「とにかく数字が取れない状況が続いていて、予算もない。そのため予算がかかる番組の見直しがはかられました」(前出・放送作家)

めちゃイケ』『みなおか』の終了も、その延長線上にある。

「とにかく2番組は、お金がかかりすぎていました。セットひとつとっても、他の局からみたら、驚くような予算をつぎ込んでいた。今はテレ東の『家、ついて行ってイイですか?』や『池の水ぜんぶ抜く』など、予算をかけずに工夫して、面白く見せる番組のほうが時代に合っているんです」(前出・放送作家)

 いっぽうで、これまでの看板番組に代わる人気番組も、あまり育っていない現状がある。前出の芸能記者は言う。

「しいていえば、『痛快TV スカッとジャパン』や『ホンマでっか!?TV』などがありますが、近年終了した看板番組の全盛期に比べると、その規模はくらべものにならない。クラスの誰もが見ている番組みたいな存在の登場は、今の地上波ではなかなか難しいのかもしれませんが……」

 今後のフジテレビの行方はどうだろうか。前出の放送作家は、「これから変わってくると思う」という。

「象徴的だったのが、今年の『27時間テレビ』。歴史を学ぶというテーマで、生放送ではない見せ方を、たどたどしいながらも”今までと違うものを作ろう”という思いがあったと思います。

 今、荒れまくった地面を、ようやくならしはじめたところなのかと。ここから新しいものを建てていく段階にある。これからは、適切なお金のかけ方をして、時代に合った、新しい番組作りをしていくのでは。結局は作り手しだいなのですが」

 前述したとおり、『みなおか』は、前身となる『おかげです』終了後も、とんねるずの番組が継続され、『おかげでした』につながった経緯もある。

 2番組は終了するが、とんねるずやナイナイや、よゐこによる新番組での継続の可能性もあるのだろうか。

「その枠が残るのか、別の枠で新番組になるかはわかりませんが、予算の問題が解決すれば、とんねるずは全然アリだと思います。お二人が出ていて、何より視聴者が”また見たいね”という気持ちになってくれれば、そこはもう『みなおか』の世界になるので。

 逆に、『めちゃイケ』はさすがに難しいでしょうね。特に初期からの顔ぶれがそろわないと、『めちゃイケ』にはなりませんから」

 フジの再浮上に期待したい。

<取材・文/渋谷恭太郎>