前出の中井准教授は、

「運転中にカッとなりやすい人は、店員の接客態度にも文句をつけがちな人。要するに“怒りの沸点の低い人”だと考えられます」

写真右の黒い車は無理やり割り込み、前の軽トラックには何度もクラクションを鳴らした(写真提供/JAFメディアワークス)
写真右の黒い車は無理やり割り込み、前の軽トラックには何度もクラクションを鳴らした(写真提供/JAFメディアワークス)
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 と見立てる。

 ロードサービスJAFで専門誌『JAF Mate』を発行している鳥塚俊洋さんは、

「安全のために道を譲ること、それがトラブル回避の基本中の基本です。

 あおり運転に対抗して逃げたり、仕返しであおったりするとエスカレートしていくパターンが多いんです。対抗すると“なんだ、この野郎”となる。あおるほうが悪いのですが、抵抗しないことです」

悪質ドライバーの対処法

 チャイルドシートの子どもに気を取られイライラするママドライバー、身体機能が低下している高齢者ドライバーは特に注意が必要と念を押す。

「ちょっとしたミスが周囲をひやっとさせてしまい、あおり運転と間違えられ、質の悪いドライバーとトラブルになってしまう可能性があります。より一層、注意を払い余裕を持つことが大切」(鳥塚さん)

 それでも世の中に大勢いる悪質ドライバーに運悪く遭遇したり、巻き込まれた場合はどう対処すればいいのか。

 交通問題を専門に扱う高山俊吉弁護士は、

「前提として、あおり運転をされない工夫、予防することです。つまり相手に、あおり運転をさせる理由を与えない」

 と安全運転の徹底を訴える。前出の鳥塚さんは、

「同乗者がいれば110番してもらいます。もしひとりだったら、必ず安全な場所に車を止めて110番してください。もし、相手に車を止めさせられたら、窓とドアをロックし、車にこもりましょう」

 と、説明する。さらに、