『陸王』(c)TBS

 TBSドラマの看板枠、日曜劇場に池井戸潤原作のドラマが4度目の登場! 役所広司が主演し、生き残りをかけて、新規事業のランニングシューズ作りに奮闘する老舗足袋屋の4代目社長を演じる。池井戸作品をヒットさせている名プロデューサーが語る撮影秘話とは──。

役所約20年ぶり出演
女優・阿川の魅力とは

 TBSドラマ約20年ぶり出演の役所広司が、主人公を演じる企業再生物語。原作は、池井戸潤の同名小説。共演は、山崎賢人、竹内涼真ら若手と、阿川佐和子、小籔千豊、ピエール瀧、寺尾聰ら個性豊かな俳優陣が顔をそろえた。

 創業100年以上の老舗足袋業者「こはぜ屋」4代目社長・宮沢紘一(役所)は、会社の存続をかけ、足袋製造で培った技術を生かした、ランニングシューズ“陸王”の開発に乗り出した。ノウハウも資金も人材もない「こはぜ屋」が、世界的なスポーツブランド、アトランティス社にかなうはずもない。

 それでも宮沢は、あきらめない。故障に苦しむ陸上選手の茂木(竹内)のように、はいた人がケガをしにくく、裸足感覚で走れるシューズを追求し、奮闘していく。

 演出は、『半沢直樹』『下町ロケット』などを担当した福澤克雄監督。福澤監督とタッグを組み、数々の池井戸作品を映像化している伊與田英徳プロデューサーは、今作について、こう語る。

「とびぬけた事件もなく、ふつうにありそうなことが起きて進んでいくドラマ。とんでもない悪人も登場しません。『こはぜ屋』への投資を渋る銀行もライバルのアトランティス社も、それぞれの立場からすると、(言い分は)みんな正しいんです。あざとくないところが本作の魅力でしょうか。原作にある世界観、物語の価値や意味をひとつずつ、丁寧に描いています」

宮沢たちは、社員一丸となって“陸王”の開発に取り組む (c)TBS

 タイムスリップしたかのような「こはぜ屋」の佇まいや社員の半纏(はんてん)、女性がつけている三角巾などは、すべて取材に基づいて再現。そこで演じる俳優陣も、零細企業の人々になりきっている。

「役所さんは“こういう人いるよね”と、思わせてくれる宮沢社長を演じてくれています。ダメ社長なところもあるけど、宮沢にはなぜか人がついてくる独特な魅力があるんです。

 例えば“今やらないでいつやる”というとき、宮沢が“今でしょ!”と、あけみ(阿川)に思わずリアクションしていますが、今ではあまり言わなくなった流行語をうれしそうに言うなど、チャーミングなんです。役所さんの宮沢を見ているだけで、楽しくなります」(伊與田P、以下同)

 おばちゃん職人役が好評の阿川については、

「阿川さんが、あけみになろうとしてくれている心意気がそのまま映像に出ています。最初は、セリフが多くて大変だと言っていましたが、今では楽しそうに演技してくれているように思います。阿川さんの新鮮な芝居に、どんな球でも受け止める役所さんが応える。ふたりのバランスが、あけみをいきいきとさせているのだと思います」