前回の逮捕から学んだのか、「私有地」と書いた部分にイスを置いて座り、2リットルのペットボトルを並べるという陣形を敷いた。またいで通行することはできるため、往来妨害では捕まらない。悪知恵を学習しているのか。

通行を妨害するために使われていたペットボトル
通行を妨害するために使われていたペットボトル
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 平野容疑者の通せんぼを目撃したという60代男性は、

「朝の9時くらいから11時くらいまで、座っていましたね。通ろうとする人に大声で怒鳴るんですよ。誰も通さない。でもトイレとかもあるからずっとは外にはいないです。体格もよくて、力ずくで止めようとするのでトラブルになります。しかも通ろうとする人の写真を撮りますしね」

 その結果、前記のように110番通報が増えたのだが、

「押し問答をしているので、それを止めるしかないんです。あとは写真を撮ったものを消させたり。警官が行っては注意をする、その繰り返しですね」と前出・捜査関係者。

包丁を持って脅すことも

 平野容疑者への不満は周辺に渦巻いていて、

「だいたい200メートルくらいの遠回りになるんですよね。あの抜け道を通らないとね」(近隣の女性)

「あの道は通らないっていう人はいっぱいいますよ。僕も1度、口論になったことがあるんですけど、本当に話が通じない。それ以降通らないようにしてます」(近隣の男性)

「私は自転車をよく使いますが、もう自然とあの道を通らないように身体が覚えちゃってます」(40代女性)

あ

「そこを通らないようにって、学校の先生が立っていたこともありましたね」(30代女性)

「通れないですね。だからいつも大回りしています。正直しんどいですね。今は(逮捕されて)いないので通りますけど」(男子高校生)などなど。

「15年ほど前から私有地を主張するトラブルはありました。包丁を持って脅すこともありましたね。でも引っ越してきたころの平野さんは挨拶もしっかりしていたしいい人だったって声もある。ワンちゃんが平野さんちの前でおしっこしてから変わったのかも」

 と古株の住民は推測する。平野容疑者が「私有地」と主張する自宅前道路。なぜトラブルのもとになっているのか。堺市役所の担当者は、

「建築基準法上、建物を建てるときに原則として道路に建築物の敷地が接していないといけないんです。あの道路は沿道の人々の共有の私道なんですけど、個人でそこの部分を持っているという形態ではないんですね。みなさんに権利はあります。平野さんにも10分の1の権利はあります」