どうしてそんな遠くから? と聞けば、「嘉風の大ファンなんです。ここは地元ですから声援が違う。地元で見てみたいと思って」と筋金入りの嘉風ファンだ! すごい! 「嘉風は取組への姿勢が好き。今も大関目指して頑張ってる。年齢とか関係なく、いつまでも目標を持って挑んでいるのがステキです」とキラキラ語ってくれた。

場所内に設置された、日馬富士の等身大パネル
場所内に設置された、日馬富士の等身大パネル
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 今年35歳とベテランの嘉風。関脇という大関に次ぐ地位にあり、常に全力で向かい、九州場所では唯一、白鵬にも勝った。勝ち負けにかかわらず名言も多く、尊敬される関取だ。

 私も嘉風、大好きです。彼には努力する素晴らしさとかいろんなものをもらいますよね、だから大相撲ファン、辞められないんですよね! と、うんうん頷いてしまった。

 そんな彼女にも日馬富士の話題を振ると、「辞めてほしくはないです。ただ、本人が暴力をふるったことを認めてますよね。だから難しいですよね」と、やはり判断はできないという。この問題、どう決着をつけたら正解なのか? 本当に難しい。

 ところでマスコミの中には、この騒動で相撲ブームも衰退か? なる声もあるみたいだが、私が話した人たちは変わらず熱狂していて、そんな片鱗はまったく見えない。

 会場入り口で力士の「入り待ち」をしていた、やはり一人で福岡県内から来ていた40代の女性と話したら、「えっ? ブーム終わり? 私は今回初めて来たんですよぉ。お相撲、生で見てみたいって、特に誰が好きってないけど、興味があってね」と言う。

 まだまだ新しいファンがこうして生まれているし、嘉風ファンの女性しかり、誰か一人の関取に人気が集中しているわけではない今の大相撲、人気が定着し、ファンが確実に育っていると感じた。

 彼女にも今回の騒動、どうですか? と話を向けると「もういいかな~。うんざりかも」と笑う。そう、もうお腹いっぱいですよね。