イチオシ積み立ては「ジュニアNISA」

 可愛いのため、どうやってお金を残すべきか。山口さんのイチオシは貯蓄よりも値上がりが期待できる『ジュニアNISA』だ。

「19歳以下の未成年の子どもが対象の『少額投資非課税制度』のこと。口座を証券会社や銀行、郵便局で開けば、子ども1人につき年間投資額80万円を限度に、運用管理者である親や祖父母が株や投信などを売買できます。本来なら、配当金や売買益などにかかる約20%の税金が、商品購入から5年間は課税されないことがポイント。

 また基本的に、教育資金を作るための制度なので、口座のお金は18歳まで引き出し制限があります」

 通常の投資と同じく元本保証はない。そのため無理のない金額で毎月、低リスクの商品をコツコツと買っていくのがおすすめだ。

「ジュニアNISAの大きな特徴、(1)教育資金のためのもの、(2)長期投資ができるという点を考えると、日経平均など指数に連動した国内外のインデックス投信やETF(※)といった商品を買うのが王道です。

 毎月1万~2万円の一定額を買う積立投資をすれば、学資保険や積立貯蓄感覚で活用OK。買った商品が値上がりしたらもちろん売却して利益の確定ができますが、原則お金の引き出しは子どもが3月31日時点で18歳の前年の12月31日までできません」

 ただし、と山口さんは最後に付け加える。

「金融商品を扱うなら、最低限、商品の仕組みがわかるような勉強は必要です。のためと思えば頑張れるのではないでしょうか。ただ、あまりにが可愛いからといって、老後資金が心もとなくなるまで援助しないように気をつけてくださいね!」

■FPが小耳にはさんだウラ話
「近年、アンティークコインを購入して、や子どもに渡すお金持ちが多いとか」(山口さん、以下同)。アンティークコインは、100年以上前に発行された金貨・銀貨の総称。世界中にファンがいて、5年で400万円から4000万円になった「ウナとライオン」というコインもある。「お手ごろ価格の現代美術を買って、や子どもにプレゼントする人もいます」。値上がりを期待しているのは同様だが、こちらは目利きが必要だ。

■FPが小耳にはさんだウラ話
「疎遠な孫より、いつも一緒にお出かけする孫が可愛いからと、差をつけてしまう祖父母もいると思うんです。でも、それを贈与や相続に反映させるのはNGです」。今はよくとも、祖父母の死後に骨肉の争いの種になりやすい。「相続対策に教育費を1500万円非課税で贈与できる制度もありますが、内孫だけにこれをしたらもめますよ~」。何ごともほどほどに!

※インデックス投信……日経平均株価やTOPIXなどの株価指数と同じ動きをする運用を目指している投資信託 ETF……株価指数と同じ運用を目指すのはインデックス投信と同じだが、時価で市場売買でき、証券取引所があいている時間なら何度も売買できる

<教えてくれた人>
山口京子さん◎難しいお金の話をわかりやすく丁寧に説明する、暮らしのお金のスペシャリスト。オールアバウト『家計管理』『お金美人のすすめ』執筆。各種メディアで活躍するほか、個人相談、セミナーも精力的にこなす。