ディーン・フジオカと佐藤健

 その場の対応で、出演者や主催者の本音がちらりとのぞいてしまう。それが芸能関連の記者会見の怖さである。

 日本テレビ系のドラマ『今からあなたを脅迫します』(毎週日曜夜10時30分~)に主演する俳優のディーン・フジオカ(37)。

 つい先日、神奈川・横浜赤レンガ倉庫で「クリスマスマーケット in 横浜赤レンガ倉庫」のライトアップセレモニーが行われたが、メディアの評判は散々だった。ディーンに対してではなく、主催者に対しての評判だ。

「サプライズでディーンが登場するというお触れはいいのですが、主催者側は会場をまったく仕切れていなかった。イベントの後、同じ場所で囲み取材を行ったのですが、一般の人が普通に取材エリアに乱入してきたんです。

 主催者は、『え、来ちゃったよ、どうしよう』って、まるで他人ごとでしたけどね」(テレビ誌ライター)

 さらにひどいことは続いた。司会者がディーンに質問を投げかけたのだが、

「いやぁ、あんな最低な質問は久しぶりですね。司会者がディーンに対して、『サンタクロースはいくつまで信じていましたか』って投げかけたのです。周囲には、子連れのママもたくさんいるんですよ! 無神経にもほどがある。

 ディーンは、その質問のひどさを感じとって、今も信じています、みたいなことでその場をうまく取り繕っていましたけど」と前出・テレビ誌ライターが伝える。

 裏方のお粗末が露呈した形だ。

 その数日後、俳優の佐藤健(28)が出演する映画『8年越しの花嫁 奇跡の実話』のPRイベントが行われたが、

「ここでは佐藤の、ちょっと時代遅れの発言が残念でした」

 とウェブ媒体の記者が指摘する。佐藤への質問は、会場に集まった一般客から投げかけられた。

「『どんなタイプが理想ですか?』という質問に佐藤は、『家事をしっかりしてくれる人』って、真顔で答えていました。取材陣の中には、えええ、って首をひねる人がいましたね。

 だってそうでしょう、自分は家事ができるタイプじゃないからやってくれる人がいい、って、言い訳していましたけど、男女の役割分担を固定している発言。どれだけ昭和なんだよ! って思いましたね」

 とスポーツ紙記者はあきれっぱなしだ。

 一般客の質問に、想定問答がなかったための答えだろうが、逆に本音が漏れてしまう。

 ディーンのようにうまく防御するケースもあれば、佐藤のように意外な本質を浮き上がらせるケースもある。

 マイクを向けられるナマの取材には、どこに落とし穴があるのかわからない。ちょっとした失言がいつファン離れにつながるとも限らない。

 いつの時代も、口は禍の元である。

<取材・文/薮入うらら>