東京地裁正門には裁判を傍聴しようと、27席に350人あまりが列を作った
東京地裁正門には裁判を傍聴しようと、27席に350人あまりが列を作った
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 3月、鉄製の檻に閉じ込めた1匹に熱湯を浴びせたのが惨劇の始まりだった。

 東京医療センターの服部幸医師に話を聞いた。

「熱湯で受けた広範囲のヤケドはも自然に治るわけではありません。治療をしなければ命に関わります」

 一方、被告がケガをした後に会ったという人物は首を傾げる。

「そんなにひどい傷なら会ったときにわかると思うけど、何も言ってなかった」

 服部医師も、

は何もしなければ噛みつくことはほぼないと言えます。無理やり捕まえたり、何らかの嫌がることをしたときに噛みつかれたのでは」

 と推測。噛まれたことは自業自得の可能性もある。

動画にあげるのが主目的になった

 大矢被告は被告人質問の中で懲役刑を求める21万筆の署名について問われると、

「私に対する断罪、殺されたの声を、心を痛めた人の声を聞きなさいということだと思います。贖罪の気持ちを持って生きていきたい」

 弁護士の質問に淡々と答えていた被告だが、検察官から撮影した動画を見たときの心情を問われると、

「噛んだと違うが最初は溜飲を下げるものだった。後半はインターネットの情報を参考にしながらだった」

 裁判長の「が死んでいくところを見て楽しかったか?」という質問には、

「気分はよくなかった。後半は残虐に殺して動画に上げるのが主目的になった」

 さらに、「なぜ続けたのか」との問いに、

「あの……どっかで被害を言い訳にしながら殺めていた」

 一転して焦りがにじみ、歯切れが悪い。