車1台がやっと通れる幅の山道脇の草むらで、無職・神久美子さん(62)の遺体は見つかった。

土地勘のある人間の犯行

 10月17日午後3時ごろ、捜索に協力していた民間の救助犬が発見した。街灯もなく、日没後は真っ暗になり、歩くのも怖いほどだ。

 同じ静岡市内にある神さんの自宅からは、南東に約1・8キロ離れている一帯。

 毎日、付近をウォーキングしているという60代女性は、

「夜は誰も通らないところです。昼間だって、この先の畑に農作業に行く人が車で通るくらいかなぁ」

 10月5日、同居する男性が深夜に帰宅したところ神さんの姿はなく、同月11日に神さんの親族が警察へ行方不明者届を出していたのだ……。

 一体、誰が遺体を遺棄したのか? 容疑者が逮捕されるまでの約1か月間、地元では、

「新聞を読むと、遺体には自宅のカーテンが巻かれていたっていうんだよ。同居の男の人が怪しいよなぁ」(タクシー運転手)

 といった推理談議が尾ひれをつけ流布していたのだが、後から思えば実に核心を突く、こんな推理もあった。

「私ら地元の人間でもここらへんは道に迷うことがある。それくらい入り組んでいるんだから、土地勘のある人間の犯行としか考えられない。例えば、新聞配達員とかね」