第6話は、産科医として早くひとり立ちしたい下屋加江(松岡茉優)の挫折と成長が描かれた。

 下屋が仲よくなった同い年の妊婦・神谷カエ(福田麻由子)は、甲状腺の疾患により出産前に亡くなってしまう。自分のせいだと思い落ち込んでいた彼女に、サクラは先輩としての言葉をかけた。

「患者さんを亡くしてしまったこと、乗り越えることはできない。僕の胸にもいろんな後悔が残っている。あのときもっと早く気づいていれば、もっと早く勇気を出していれば救えたんじゃないか。

 その後悔を乗り越えることはできない。忘れることもできない。悔しいこともうれしいこともひとつひとつ、胸の中に積み重ねて僕たちは医者として進んでいくしかない」

 下屋は産科医として成長するため、“全身管理”を勉強すべく救命科に異動する。

 第7話では、子宮腺筋症が発見された小松が、将来、がんになる前に子宮全摘手術をすすめられる。母親になる道を閉ざすか葛藤する小松は、慣れない救命科でしごかれている下屋と、シングルマザーとして苦闘する倉崎恵美(松本若菜)の相談に乗った。

「そうしたら、もう少し自分を認めてあげましょうか。1日の終わりに“よく頑張りました”って自分に声をかけてあげてください」

 日々を頑張る女性みんなが励まされた言葉だ。

 最後に、第8話でのサクラの名シーンを。仮死状態で生まれて治療を受ける赤ちゃんの母・風間真帆(芦名星)が、健康で元気に出産できなかった自分を責めていた。

「今度、赤ちゃんに会うときはこう声をかけてあげてください。“すごいね、頑張ってるね”。つながれているたくさんの管は赤ちゃんが今、一生懸命、頑張っている証です。お母さんが引け目に思うことは何ひとつないし、むしろ頑張り屋さんの赤ちゃんを、誇りに思ってください」

 いよいよ最終回が間近に迫ってきた『コウノドリ』。最後にどんな「奇跡のことば」を運んでくれるのだろうか。