鈴木亮平

 NHK大河ドラマ『西郷どん』の初回視聴率が15.4%という、歴代ワースト2位という低い数字を記録。

 原作は林真理子、脚本は中園ミホ。主演は鈴木亮平、脇を固めるのは渡辺謙、鹿賀丈史などを筆頭としたベテラン俳優が。女優陣は松坂慶子、南野陽子、北川景子、黒木華、二階堂ふみなどいずれも華やかだ。

 これだけの条件が揃っていれば、高視聴率獲得も当然のように思えるが……。

「西郷隆盛は幕末の偉人のなかで坂本龍馬に次に人気のある人物です。女性ファンも多いので、テーマは間違っていないと思います」(テレビ局関係者)

 なのに、どうして? 数字が低かった原因として、ネットでは、

薩摩弁が本格的すぎてわかりにくい

 という声が多かった。

「過去にも、台詞が独特の方言で構成された大河ドラマは『琉球の風』や『八重の桜』など、いくつかありました。しかし、そのなかでも今回の“薩摩ことば”はかなり難易度が高いですね。字幕を入れて見ていても言葉そのものがわからないので、意味が通じません。標準語に通訳した字幕が必要ですね(笑い)」(前出・スポーツ紙記者)

 だが、低視聴率の原因はそれだけではなかったようだ。

視聴率を左右する、本来の大河ファンは史実に基づいたストーリーとリアリティを好みます。そういう意味では、本格的な『薩摩弁』はかえってファンを楽しませたと思います。

 また、彼らは激動の時代を疾走する主人公に興味があるんです。ですから、自分たちがよく知らない、しかも史実かどうかはっきりしない登場人物の子ども時代の話には、あまり興味を示さないようです」(テレビ誌ライター)

 制作サイドもそのあたりは心得ているようで、

「子役の回はそもそも視聴率が芳しくないんですよ。一方で、話題になるほどの名子役だったりすると、本来の主役の影が薄くなってしまうので、子役はなるべく早い回で終わらせるようにしているみたいです。

 それは最近の朝ドラにも当てはまり、第1週の6日間だけと決めています。今回の大河は初回だけですね」(前出・テレビ局関係者)

 次週からの視聴率アップが期待される!

<芸能ジャーナリスト・佐々木博之>
◎元フライデー記者。現在も週刊誌等で取材活動を続けており、テレビ・ラジオ番組などでコメンテーターとしても活躍中。