華やかな女子トークなし
ふたりでお酒を飲みたい

吉本実憂 撮影/佐藤靖彦
吉本実憂 撮影/佐藤靖彦
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─稽古以外での楽しみは?

吉本「峯岸さんがいてくださると安心します」

峯岸「確かに。私もそう。ふたりでずっとしゃべっています」

吉本「不安要素を話しています。セリフか愚痴しか言っていないかも」

峯岸「お互いネガティブなことしか話していないね。20代女子のさわやかで華やかな話はなくて、舞台の不安を分かち合っています」

─お互いの印象は?

峯岸「実憂ちゃんは、声がきれいで、澄んでいるので、聴いていて心地いい。それに、年下なのに、めちゃくちゃ落ち着いてる」

吉本「峯岸さんは、(実の)お姉ちゃんと同じ年なので、勝手にお姉ちゃんだと思っていて、安心感があります。女子トークはないけど、(お酒を)飲みに行こうと言ってくださるので、スケジュールを合わせて、行きたいなと思います」

峯岸「実憂ちゃんの顔を見てたぶん、飲める子じゃないかなと思って」

吉本「飲めます(笑)。弱くはない、かな。梅酒とか、日本酒が好きです」

峯岸「私はハイボールだけど、相手によって何でも合わせられます」

─本番のイメージは?

峯岸「まだそこまでは……。(AKB48劇場とは)全然違うと思います。客席で咳をする人がいたときに、舞台上でどう感じるんだろう、とか思います」

吉本「セリフが飛びそう(笑)。知り合いの顔が見えたら、余計に緊張しそうなので、こっそり来てほしい」

峯岸「谷さんが、毎日、(観客が)違うし、気が散る要素は山ほどあるから、と。稽古場で(関係者が)黙って見ているだけでも無理なのに、いろんな要素が本番で生まれるとなると、死ぬほど稽古しないと、不安でしかたないです」

吉本「そうですよね」

─2017年の総括と、初舞台を控えた今年の抱負を。

吉本「去年、主演したドラマの役作りで髪を30センチ切って、世界が変わったかのように自分の心が自由になりました。仕事をするようになってからは髪を伸ばしていましたが、小さいころから芸能界に入る前まで15年ぐらいボブヘアだったので、久々に髪を短くしたら、子どもの心を思い出した感じで、自然体でいろいろ楽しめるようになった気がします。それまでは、自分で自分を押し殺すようなところもあったけど、20歳の節目も重なっていつも以上に楽しかった1年でした。

 新年は、まずは舞台です。いまはそれしか頭にないです。うまく気分転換しながら、大好きなごはんをしっかり食べて、元気をつけて舞台でエネルギーを出して、いいお芝居ができたらいいなって。その先は、いまは考えられないです。

 小学校のときに習った“楽しく、明るく、元気よく”という言葉が、いまになってその大切さを身にしみて感じています。そして分岐点となる目標を運命に任せるのではなく、自分自身で作っていけたらいいなと思っています」

峯岸「実憂ちゃん、しっかりしているなぁ。私は去年、小嶋陽菜の卒業が決まって、同期が自分ひとりだけになっちゃう。覚悟を決めないといけないなという年明けでした。陽菜が卒業しても心配をかけないように、元気を出さないといけないと。

 一昨年ぐらいまでは、AKB48を辞めたいと思っていたけど、陽菜の卒業で、そういう気持ちが自然となくなって、夏ぐらいからは前向きになり、アイドルの仕事が楽しいと久しぶりに思えたんです。そんな気持ちでいたら、やりたかったお仕事も決まって、AKB48を続けていなかったら、こういうお仕事もできなかったかもしれないのでいいタイミングで、相乗効果になっていると思います。

 今回の大きな挑戦をAKB48で生かせられたらいいなと思っています。いまは、クリアな気持ちでシンプルに仕事を楽しめているので、このまま新しい年も突っ走っていけたらいいなと思います。
 これ(初舞台)を越えられたら、いろんなことが怖くなくなる気がしています」

吉本「そうですね。私も(初舞台後)何かあったらいいなと思います」

峯岸「舞台が終わるころまでには、実憂ちゃんといつでも飲みに行けるような関係になりたいな」

吉本「ぜひ、よろしくお願いします」

<舞台情報>
『三文オペラ』 演出・上演台本/谷賢一
【STORY】
 盗賊王マクヒィス(松岡充)は、乞食王ピーチャム(白井晃)のひとり娘ポリー(吉本)を見初め、結婚。それを知って激怒したピーチャムは、警視総監のブラウン(高橋和也)を脅し、マクヒィスを逮捕させる。牢獄に入れられたマクヒィスは、訪ねてきたポリーと、愛人のルーシー(峯岸)が鉢合わせすると、女ふたりの嫉妬とケンカを利用して脱獄するが……。
【公演】
 1月23日〜2月4日までKAAT神奈川芸術劇場、2月10日札幌市教育文化会館大ホール