阿部は日本橋署に異動してきた刑事・加賀恭一郎を演じており、

「このキャラクターがありがたいことにみなさんから支持いただいて。長いことやっていくうちに、次第に自分の中でも根強いものになっていきました」

阿部寛 撮影/廣瀬靖士
阿部寛 撮影/廣瀬靖士
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 完結編では“親子の絆”も描かれているが……

「僕の母親は13年前に亡くなって。母はずっと僕のことを心配していたんですが、仕事が軌道に乗ったのは、母が亡くなってからでした。生前は母を安心させるまで行かなかったんです。でもね、いつも母親が上から見守ってくれてると思ってて。だから今、こうやってたくさんの作品をやらせてもらってるのを見て、きっと喜んでるんじゃないかな

 “40代半ばでこの役に出会えたのも大きかった”という阿部。当時は初めての刑事ものへの挑戦で、自分にできるのかという不安もあったそうで、

「期待感と恐怖心、絶対にいいものにしたいという情熱でやってきた。そんな中、事務所の前の社長がすごい褒めてくれて、“あっ、こういう作品だと褒めてくれるんだ”って新たな発見もありましたね(笑)」

 松嶋菜々子とは初共演に。

「松嶋さんは『家政婦のミタ』の印象が強くて(笑)。クールなイメージが勝手にあったんですが、実際はすごく人間味のある方でした。何よりも感情でお芝居してくれて、(涙する場面は)常に本気の涙を流していた。僕がメインに映るところの芝居でも、自分のとき以上にやってくれる。僕もそうする俳優なので、うれしかったです」 

 今後、自分にできるかわからないくらい難しい役が来たとしても、納得いくように成立させていきたいと語る。そんな彼が思い描く、この先の展望とは――。

最近は主演ものが多くなってきているので、主演じゃない役もやりたい。僕は30代で主演じゃないものをずっとやってきてすごく勉強になったし、今でもやりたいとすごく思う。そういうオファーがあれば、ぜひ! お願いしたいと思ってます」

<出演情報>
『祈りの幕が下りる時』
1月27日(土)全国ロードショー
 完結編にして、シリーズ最高の泣ける感動巨編がついに完成! 「自分の作品でこんなに泣くとは思わなかった。ボロボロに泣きました」と阿部。刑事・加賀恭一郎が日本橋にとどまる理由や父との確執、母の失踪など、これまで明かされなかった加賀自身の最大の謎が明かされる。