お笑い評論家のラリー遠田氏は「2人の“毒舌”は、本音であるからこそのもの」であると指摘する。

“自覚している悪者”

2人とも本当のことを、“本音で言っている”というところが評価されているんだと思います。作りものだとわかっているバラエティー番組ですが、今の時代は本当のことを言っている部分がないとウソくさく感じられてしまうのかもしれませんね。作りものの部分が見えると、冷めてしまうのだと思います」

 お笑い芸人からも、“ポジション争いをするのが怖い”と恐れられている2人だが、バラエティーが本職でないことも活躍の原動力になっている。

「芸人さんやバラエティーを本職にしているタレントさんほど、場を盛り上げなきゃいけないという制約があるため、本音を言えない部分も多いんです。どうしても番組の流れの中で計算しながらしゃべらなくてはいけないですからね。

 その点、坂上さんと梅沢さんのおふたりは役者や舞台が本業なので、そのような計算がない。ベッキーさんの“ゲス不倫”騒動以来、加速している不倫報道。それは彼女がいい人のキャラクターだったにもかかわらず、不倫をしていたというインパクトが強かったわけです。

 世間も“偽善”というものにすごく敏感になってきていると思うんですね。だから、偽善者より“自分が悪いと自覚している悪者”のほうが好感を持たれる風潮ができたんだと思うんです」(ラリー氏)

 梅沢と仕事をしたことがあるというコラムニストのペリー荻野氏は、梅沢の素顔にも人気の秘密があると分析する。

「梅沢さんに何度もインタビューをさせていただきましたが、テレビで映る乱暴なイメージとは違い、とても気配りをしてくださる方でした。芝居という本業があるからこそ、テレビで“俺を嫌う人がいたら嫌ってもいい”と発言できるのだと思います。みんな嫌いにならないんですけどね(笑)」

 テレビで暴言を吐く姿も、キャラクターを完璧に“演じ切っている”ということだろうか。そんな梅沢のファン層についてラリー氏は、

梅沢さんの毒舌は“頑固オヤジの本音”。セクハラ、パワハラまじりではありますが、“みんな実はこう思ってるんだろ?”といった本音を代弁してくれるところが、高齢の方からの共感度の高さにつながっています。

 実際、起用する側からみて、高齢者の意見を代表するタレントが欲しいときに、梅沢さんはちょうど勝手がいいタレントさんなんですよね。しかも、ふざけたようなバラエティー番組にもちゃんと出てくれてこなしてくれるところも重宝されます」