初めて歌手になりたいと思った17歳

――ひとりの男性イ・ジュノさんは、スターのJUNHOさんを忙しすぎるんじゃないかと思っている?

「う~ん。たしかに、そうかもしれないと思うことはあります。本当に、ときどきですが。理想や夢に向かって進んでいるけれど、物事がうまく進まないときなんかに。そんなとき、みなさんと同じように「生きることって、疲れるな」と思うことはあります。でも、正直に言えば、いま、自分自身の生き方にとても満足しているんです」

――その言葉を聞いて、なんだか安心しました。

「今回、自分の奥深くにある感情を引き出してきたんです。これまでそういう部分を表現した曲があまりなかったので。気持ちが温かく穏やかになるような、そんな曲をつくりたかった。さっき自分の生き方に満足していると言いましたが、前ばかりを見て必死に生きていると、いまの幸せを感じられないことが多いんじゃないかと思うんです。

 僕は、よく後ろを振り返ります。そうすると、以前はできなかったことが、できていたりする。いまある幸せを感じるからこそ一生懸命、走り続けることができているんだと思います」

JUNHO(From2PM) 撮影/廣瀬靖士
JUNHO(From2PM) 撮影/廣瀬靖士
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――歌詞に“10年も経つのにあっという間だよ”とありますが、これは2PMの活動のこと?

「はい、2PMとして走り続けてきた時間です。本当に、あっという間でした。“まだ心17なのに”というフレーズもあるんですが、それは本当に実感していること。初めて歌手になりたいという夢をもったのが、17歳でした。いまだにデビュー前の練習生時代の出来事を鮮明に思い出せるんです。課題として出されたダンスも踊れますよ。もともと記憶力だけはいいということもありますが(笑)」

――この10年の間には、歌詞のように“叫んで辞めてしまいたくなって”ということもありました?

「もちろん。でも誰にでもあることですよね。出来事の大小にかかわらず「やってられない」と思うことは」

――叫びたい気持ちを誰かに伝えることは?

「ないですね。冗談で「もう寝たい」とか「家に帰りたい」とかって言うことはありますけど」

――話すことでスッキリする人もいますよね。とくに女性に多い気が。

「そういう方もいらっしゃいますよね。でも100パーセント自分のことを相手に理解しもらうのって難しい。「大変なんだ」って伝えたら、逆に相手から「僕のほうがもっと大変だよ!」って言われたりして。ただ、話を聞いてほしいだけなのに。ほかにも、自分の悩みを伝えたら、解決方法を提示されたりすることもあって。「それはわかっているけど、できないから悶々としているのに!」って思ったり(笑)。

 実は、この曲を書いたことで、僕自身がすごく癒されています。自分が受けているストレスや心配事や悩みが、音楽によって健康的に解消されている感じがして。だから、いつも部屋で聴いています。韓国語バージョンにリミックスも。シャワーするたびに歌っているし、ミュージックビデオも繰り返し見ています(笑)」