不整脈だけじゃない!チョコレートがもたらす可能性

 最後に、より皆さんにチョコレートをオススメする根拠として、過去のチョコレートについての論文を2つご紹介します。

 様々な研究を系統的に調査した論文では、選び抜かれた7つの良い研究のうち、5つの研究において、「チョコレート摂取がより多い群は、少ない群と比較し、心血管疾患、脳卒中のリスクが減少していること」が示されました。一番チョコレート摂取量が多い群は、一番少ない群に比べ、心血管疾患が37%、脳卒中は29%減少していました。(英国ケンブリッジ大学H. Franco Duran氏ら BMJ 2011;343:d4488)

 閉塞性動脈硬化症(動脈硬化により足の血管が狭くなったり詰まったりしていて、歩いていると痛みが生じる病気)の患者に、カカオ85%のチョコレートを食べさせた群と カカオ35%のチョコレートを食べさせた群を比較すると、「高カカオのチョコレートを食べた群では、最大歩行距離が11%延長、最大歩行時間が15%延長し、血管内皮機能を司る物質の血中濃度も改善」していました。( イタリア Lofredo LJ Am Heart Assoc. 2014;3:e001072)

 特に一つ目の研究はかなり大規模な研究(対象総数は11万4009人!)で、信頼性が高いといえます。

 また、脳の「海馬」に作用して「認知機能低下の改善」が期待される(Nat Neurosci 2014, 17, 1798-803.)

 など、他にも複数の研究からチョコレートの様々な健康効果が報告されています。

まとめ−チョコレートの健康効果

 以上をまとめると、


 カカオ濃度の高い(目安は含有率70%以上)チョコレートは、

不整脈(心房細動)
心血管疾患
脳卒中

 のリスクを軽減させる効果がある。

そして、その他の健康効果にも多くの面が期待されている。


 ということです。

 お仕事中に、一息休憩。間食がしたくなった時には、カカオ含有率70%以上のチョコレートにしてみては、いかがでしょうか。

 オススメの量は、1日3欠片程度です。

福田芽森(ふくだ・めもり) ◎慶應義塾大学病院 循環器内科勤務。東京女子医科大学卒、循環器内科5年目。日本医師会認定産業医、ACLS(アメリカ心臓協会二次救命処置)インストラクター、JMECC(日本内科学会認定内科救急・ICLS講習会)インストラクター。高校時代にアメリカ、大学時代にベルギーに短期留学。趣味は登山、弓道(三段)、芸術鑑賞、海外旅行。