“そだねージャパン”はテレビ向きではない?

 一方、今大会でもっとも注目を集めた羽生結弦については、

「どの方向でもいけるという気はします。でも、意外と解説には向いてないのでは。よくもわるくも、個性が強すぎるんです。そこで行われている競技よりも、羽生くんが何を語るのか、そっちのほうにより興味をもってしまう可能性が高いですしね」(前出・放送作家)

 それでは、“そだねージャパン”の女子カーリングはどうだろうか。前出のテレビ評論家は、

「いわゆる“わちゃわちゃ感”を持つアイドルグループ的な人気の出方もあるので、とりあえずCMなどは、さわやかな雰囲気を活かせるのではないでしょうか」

 とはいえ、テレビタレントとしては、厳しいのではないかとみる。

「人気の裏には“そだねー”をはじめとした、北海道弁の素朴さと、氷上でのユニフォーム姿ならではのカワイさでの“加点”もあったと思います。その素朴さを活かして、美味しいものを食べてのリアクションなどはいいかもしれませんが」(同評論家)

 前出の放送作家も、「カーリング女子はテレビでは難しい」という意見だ。

「やっぱり、普通の女の子たちなんですよ。いい意味で、競技で輝く女の子たち。カワイイんですけど会社に普通にいる女の子たち的で、テレビのタレントという雰囲気ではないですね」

 現在活躍する、アスリート出身者でタレントとしても人気なのは、織田信成や村上佳菜子、浅田舞など、メダル獲得者でなかったり、オリンピック代表ではない人も少なくない。

「メダルを取った人の近くにいて、しゃべる力や華があったりする人が、発掘されるパターンはありますね。今回もメダルにからまなかったけれども、意外な逸材が眠っているかもしれませんよ」

 金メダルを3個も取り、タレント的な魅力もある吉田沙保里のような存在は、かなりのレアケースのようだ。

 とはいえ、アスリートとして次の大会へと挑んだメダリストもおり、今はまだ現役バリバリの選手活動に励んでいる。でも、平昌五輪発の新たなタレントアスリートとして、定着するのは誰か、気になるところ。

<取材・文/渋谷恭太郎>