一流の男が選ぶのは、シンプルでスタンダードな一足

 足元、靴にこだわるというのは、単に高い靴・おしゃれな靴を履くということではありません。

 ちょうど2000年頃から、日本でも質の良い紳士靴、ビジネスシューズ、特にインポートブランドへの関心は随分と高まってきました。

 しかし、こうした感心の高まりはあくまでファッションであって、「ビジネスマナーとしての身だしなみ」できちんと多くの方が靴に気を使うようになったわけではないように感じます。

 メーカーとの打合せや市場調査、展示会などで私はよく仕事でイギリスへ行きますが、イギリスではビジネスマナーとしての身だしなみというアプローチで靴を選ぶのが昔からの常道です。

 日本の現状を比較してみると、足元にまったく気を遣っていないケースと共に、足元が必要以上に強調され、かえって悪目立ちするケースも結構多い気がするのです。

当記事は「BUSINESSLIFE」(運営:ビジネスライフ)の提供記事です

 どのような靴を、どのような場で、どのような状態で履くのか。

 これには不思議とその人の審美眼や人生観が如実に表れます。

 日本ではともかく、欧米のビジネスシーンでは靴の選び方がそのまま、その人の「仕事への姿勢」をあらわしていると考えられてしまうことが多いのです。

 そのためでしょうか。欧米の堅実なビジネスパーソンたちは判を押したように選ぶのは、ブランドはどこであれスタンダードなデザインの紳士靴と決まっています。

 奇抜なものや派手すぎるものなど、主張の強い靴を選ぶ人はあまりいません。

 きっと、あえて王道の定番のものを履くことで、「基本軸がブレていない人間」であることを相手にダイレクトに、しかし節度をもって伝えようとしているのだと思います。