“うたのおにいさん”になるまで

 奇跡を呼んだ、忘れられない歌の思い出も。

横山だいすけ 撮影/佐藤靖彦
横山だいすけ 撮影/佐藤靖彦
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「去年、おばあちゃんが亡くなったんですが、昨年の今ごろはまだ入院していて、僕もわりと時間があったので毎日のように病院に通っていたんです。寝ている時間も多くなって記憶も薄らいでいくなかで、僕が『ふるさと』を歌ってあげたら、ハッキリとワンフレーズを歌ってくれて。すごくうれしくて、今でも忘れられない思い出ですね」

 劇中では主人公・ミゲルのお父さんの声を演じる横山。ミゲル一家には“音楽禁止”という厳しい掟が掲げられているが、自身の音楽好きに、家族からストップがかかったことは?

「反対されたことはないんですが、うたのおにいさんになりたいって言ったときに“本当にそれでいいのか”って何回も聞かれました。僕が11代目になるまで、うたのおにいさんって10人しかいなかったので、当時はファンタジーみたいな存在(笑)。いろんなことを考えて、中学・高校の音楽の教員免許を取ったり、教育の分野での可能性も考えました。でも、最終的には“本当にあなたが好きで決意したものは応援するよ”と言ってくれたんです」

 たくさんの応援のもと、夢を実現させてきたが、なかでも“音楽の力”を実感することが多かったようで、

ステージの上から、お父さんとお母さんが子どもたちと一緒に歌って笑顔になる瞬間をよく見るんです。それってまさに僕の理想の家族のカタチ。家族で笑顔になれる時間を作るのが、昔も今も、僕の役目だと思っています

<出演情報>
映画『リメンバー・ミー』同時上映『アナと雪の女王/家族の思い出』
3月16日(金)全国ロードショー
先祖代々伝わる掟により固く音楽を禁じられるも、家族には内緒でミュージシャンを夢見る少年・ミゲル。そんな彼が夢と音楽があふれる何ともカラフルな“死者の国”に迷い込んで大冒険を繰り広げる。『トイ・ストーリー3』の監督が家族の絆を描く感動作!