公開前は関係性がネタバレになってしまうため、許されなかった2人への取材。それが今回、特別に行われることに……!

岩田「お久しぶりですね! あれ、髪切りました?

土村「え、そんなに切ってないのによくわかりましたね!(笑)」

 会うのは映画の打ち上げ以来らしく、お互い第一声が「お久しぶりです!」と、久々の再会を懐かしむ。

 今回2人が挑むのは、サスペンス映画『去年の冬、きみと別れ』。スクープを狙う若手記者・耶雲恭介(岩田)が目をつけたのは、1年前に盲目のモデル・吉岡亜希子(土村)を焼死させた猟奇事件の容疑者で天才カメラマンの木原坂雄大(斎藤工)。取材を進めるうちに真相に近づく耶雲だが、木原坂に目をつけられ知らず知らずのうちに罠にはまっていってしまう……。

岩田「何気ない仕草や動作のひとつひとつに意味があって。表現の仕方を少しでも間違えると、ラストがきれいに決まらなくなってしまう怖さの中、結末から逆算しながらバランスをとって演技することがとても難しかったですし、とても勉強になりましたね」

土村私も今回、初めて視覚障害のある役をやらせていただいて。点字も初めて習ったのですが、すごく難しくて。でも、そういう細かい部分こそ役を表現するためには重要なことだと思っているので、より大切に演じました」

 ひとクセもふたクセもあるキャラクターだけど、

岩田「耶雲を演じるにあたり、何をするにも“執着”に近い、行きすぎた感情を秘めた一面を表現させていただきました。一途な気持ちを常に持っていられるのは、本当にすごいことだなって思いましたね」

土村「私は共感というより、亜希子には頭が上がらないほど尊敬していて。彼女は、愛するがゆえに“離れられる強さ”を持っている人。それは私にはできないなって思います」

 木原坂という人物に出会ったがゆえに運命の歯車が狂ってしまうが、2人にとって人生を変えた出会いは……?

岩田「人だったり物だったり、人生を変えた出会いって思い返すとたくさんあるなあ……。でも、最初はやっぱり映画『RIZE』ですね。公開当時、そんなに多くの映画館ではやっていなかったんですけど、その映画がきっかけでダンスを始めたんです。だから、この映画を見ていなかったら僕は今ここにいないといっても過言ではないくらいです」