又吉直樹 撮影/廣瀬靖士

「いろいろな取材で“どうして『火花』を書いたんですか?”って聞かれるんです。その都度思ったことをお答えはするんですけど、毎回言っていることが微妙にちゃうかったり(笑)。本当言うと、自分でもわからないからなんですよね。だから、今回の舞台に本人役で出演することで、作品について改めて真剣に考える機会をいただけたような気がします」

 小説『火花』を舞台化した『火花 ―Ghost of the Novelist― 』に、原作者でお笑いコンビ『ピース』の又吉直樹(37)が本人役で登場する。売れない芸人たちの葛藤が描かれるが、自身の無名だった時代を振り返ると、

「仕事がないときも、面白いことはありましたね。何事も“途中”がいちばん面白いんですよ。当時の僕らは“世に出たい”っていう夢の途中にいたから、日々が楽しくて。恋愛で言うと、好きな人ができて、付き合えるようにいろいろ行動しているとき、みたいな。だから今も、“自分はまだ何かの途中なんだ”って思うようにしていて。ゴールを先延ばしにし続けることで、常に幸福度を味わいたいなと

 ちなみに今いちばん近い目標は?

3作目を書くことですね。昔からライブでも“38歳のときに小説を1本書く”と言っていて。だから、今年はある意味ゴールの年なんです。……これがダメなんですよね、“ゴールを目先に作らない”ってさっきも言ったのに。まるで死んじゃうみたいな感じになってますね(笑)」