おいしい役回りは積極的

 質問に立った共産党の小池晃参院議員は「これでは証人喚問の意味がない! これ以上聞いたってしょうがない」などと語気を荒らげたほど。

 さて、野党の求める昭恵夫人の証人喚問はいつ行われるのか。

 全国紙政治部記者は、

「自民党内でも昭恵夫人に厳しい声は出ている。党三役の竹下亘総務会長は直近の講演で“安倍昭恵さんという存在が政権に迷惑をかけたことは事実”などと述べており、先行きは不透明ともいえる。しかし、それでも政権は、昭恵夫人の証人喚問は拒否し続けて死守するだろう」

 と指摘する。

 昭恵夫人は日本のファーストレディーとして、海外の要人夫妻らと高級ディナーを囲むなど“おいしい役回り”は積極的にこなしてきたといえる。気乗りしない話になった途端、隠れようとするのはひどくないか。

 前出の飯島教授は、

「昭恵夫人が国会に出てくれば国民にはわかりやすい」

 と話す。

「ウソをつけば偽証罪に問われる証人喚問で、何を話し、どういう態度をとるか。本当に隠し事は一切なく無関係ならば国民にもそれはわかるだろうし、信用されると思います。逆に隠し事があればそれも見抜かれるでしょう。国有地の売買交渉時に財務省理財局長だった迫田英典氏や、昭恵夫人付き職員だった谷査恵子氏も証人喚問すべきだと思います」(飯島教授)

 このままでは、国民の疑念は永遠に晴れない。まずは、昭恵夫人の出番といえる。