ホセが恋に落ちるカルメンの魅力は、「何にも縛られず自由に生きようとする強さ」。ホセも女性として惹かれただけではなく、そこに尊敬と憧れを抱いたのではないかと松下さんは言う。では、ご自身もカルメンのような魔性の女性に惹かれるのか?

僕はたぶんそういう女性は好きにならないんですよね。惹かれはすると思うんですけど、自分からは行かないです。けっこう想像で“あまりいいことなさそうだし、ああ~たぶん無理”と思っちゃうんで(笑)」

花總さんも人間なんだってホッとした 

カルメン役の花總まりさんとは初共演。稽古に入る前に主演舞台『レディ・べス』を観劇して、そのすごさを実感したそうだが……。

松下優也 撮影/森田晃博
松下優也 撮影/森田晃博
すべての写真を見る

「花總さんが千秋楽の日の舞台を見せていただいたので、カーテンコールでご挨拶されたんですけど、“あれ?”っと思って。もうすべてにおいて完璧な方だと思っていたんですけど、人柄は意外とふわっとしたところがある方なのかなって(笑)。ちょっとホッとしました。あ~花總さんも人間なんだと思って(笑)。

 稽古場でも、それは感じましたね。スイッチが入ってる間は違いますけど、普段はけっこうふわっとされているなと」

 謝珠栄さん演出の舞台に出演するのも初体験。

「謝先生は熱量がすごくある方で、熱い演出家であることは間違いないですね。厳しさはありますけど、ポジティブな方なので、ダメ出しも“よし! もう1回行こう!”みたいな感じで。厳しいというより、からっとしたストイックさがある稽古場でした。僕もそうですけど、関西人がけっこういて、謝先生もめっちゃ関西弁なので、すごく関西弁が飛び交う現場です」

 松下さんの見どころはどんな部分になりますか?

う〜んどうでしょう。歌にしておきましょうかね。僕が普段やっている音楽とも今までの舞台作品でやってきた楽曲とも歌い方が違うので、楽しみながらやらせてもらっています。すごく素敵な楽曲ばかりだし、新たな自分の芝居をのせたうえでの歌い方で、今までとは違う引き出しをお見せできると思います。今回は芝居も歌もチャレンジの部分はすごくありますね」