ビートたけし

「なんだか内乱の様相を呈してきましたね。結局は社長が所属タレントを裏切っていたという構図っぽいですね」

 情報番組芸能デスクが打ち明けるビートたけし独立問題。たけしが新事務所で活動を始めた初日の4月1日、たけしの弟子のたけし軍団が“独立の真相”とする声明文を、それぞれにブログなどで発表したのだ。

独立が明らかになった当初、『円満です』とオフィス北野は強調していましたが、額面通りには受け止められませんでした。その後、週刊誌などでたけしが愛人にコントロールされていることが報じられ、円満じゃないなと思っていた矢先に、弟子たちの告発ですからね」(前出・情報番組芸能デスク)

 “独立の真相”は、オフィス北野の森昌行社長が筆頭株主になったり、高額の役員報酬を支払うなどやりたい放題だったことを暴露している。

 ベテラン芸能記者は、こんな見立てをする。

「実質的には金銭がらみ、権利がらみでもめていたことを表に出すことによって、たけしが愛人にコントロールされているかの報道を鎮静化したかったという、師匠を思う弟子の姿が垣間見えますね。普通なら、森社長が師匠を裏切っていたのであれば、師匠に付いて事務所を飛び出る、あるいは独立するでしょう。ところが軍団は森社長の謝罪を受け入れ、事務所に残留するわけですから、ちょっと奇妙な印象を受けます」

 たけしが私淑し、弟子として慕っていた落語家、立川談志がいる。

「談志の晩年も、弟子たちがやきもきする出来事がありました。家を飛び出して、銀座の高級マンションで元宝塚の女優と仲良くやっていた時期があったんです。弟子たちは、何とかやめてほしいと思っていましたが、それを師匠には言えない。師匠の女性関係に口を出すなんて、弟子にはできないことですからね。

 今回のたけしの件も、たとえどんなことがあろうと、弟子たちがたけしに対し、愛人と別れてくれ、とは言えないんです。あとできることは、愛人についての印象操作を回避することぐらい。今回の声明文には、そんな思いが見て取れます」(演芸関係者)

 妻がいながらも“愛人”と暮らす71歳のビートたけしの生きざまを、マスコミは一切「不倫」とは叩かない。まるで“愛人”がいることが正当なような受け止め方。芸人として幸せなポジションを手に入れたことになる。

<取材・文/薮入うらら>