確かに外食市場に目を向けると、うどん単体の正確な数字は読み取れないが「そば・うどん店」のマーケットは1兆円超えと堅調に成長している(一般社団法人 日本フードサービス協会調べ)。「はなまるうどんや丸亀製麺など、うどん専門店が首都圏や地方でも増えていることが一因では」と見る業界関係者は多い。環境変化に敏感なコンビニが、うどんに注目するのは当然のことなのだ。

うどんの売り上げが前年同期比70%増のセブン

セブンがうどんにこだわった理由は、大きくふたつある。

「専門店が増え、最近のお客様はおいしいうどんを食べ慣れている。また、もっちりとした食感から、うどんは女性の方の支持がとても厚いんです。女性客をより増やすためにも、うどんをもっとおいしくすることが課題でした」(笠石氏)

 昨年大刷新して好調なスイーツに続き、うどんで新規の女性客を呼び込もうという狙いが大きい。もっといえば、にぎわう街のうどん専門店から、客を近所のセブンへと振り向かせてみせようと意気込んでいるのだ。

「ツルッともっちり! 冷しぶっかけ温たまうどん」(写真:セブンーイレブン)

 そもそも、一般的なおいしいうどんの定義は「つるみ(つるっとしたのどごし)」と「もっちり感」を兼ね備えたものだと聞く。だが、ゆでたてを提供するわけではないコンビニが「おいしさ」を実現するのは相当ハードルが高い。現に、「うどんは麺の中でも水分値が高く、時間とともに乾燥してしまう特性があるので、商品化するのが最も難しい。だから開発に時間がかかってしまったんです」と笠石氏は明かす。

 長い年月をかけてリニューアルしたうどんの改良ポイントはどこなのか? 尋ねると、「原材料、製麺方法、ゆで方――全部」と、返ってきた。小麦の中心部だけを従来の約2分の1サイズにまで細かく粉砕した小麦粉を作り、ゆっくりとこねて伸ばす。こうすることで水分を抱きかかえた、もっちりとした麺になるという。