そんな中、美智子さまから皇后を引き継ぐ雅子さまにも、「課題」があるというのは、とある皇室ジャーナリスト。

「皇室にとって特に大切な行事だといわれる『宮中祭祀』です。国家の安寧や五穀豊穣を祈り、皇室の祖先を祭る伝統神事なのですが、雅子さまはこれまでほとんど参加されていません。

 複雑な手順を踏むだけではなく、『十二単』という重い装束をお召しになったり、匂いの強い油で整えた髪型の『おすべらかし』にするには長い時間を要します。

 療養中の雅子さまにとって負担はそうとうなものだと推測できますが、皇后となられるにあたりクリアしなければならないものでしょう」

 雅子さまが『適応障害』の療養に入ってから出席された宮中祭祀は、'09年1月に行われた『昭和天皇二十年式年祭の儀・皇霊殿の儀』、'16年4月の『神武天皇二千六百年式年祭の儀・皇霊殿の儀』の2回。1年に約20回もある祭祀のハードルは高そうだ。

欠席しにくい『天皇の即位儀式』

'90年11月の即位礼の儀式で御帳台にのぼられた美智子さま
'90年11月の即位礼の儀式で御帳台にのぼられた美智子さま
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 宮内庁ОBで皇室ジャーナリストの山下晋司さんは、来年10月に行われる重要な儀式『即位礼正殿の儀』に関してこう話す。

『即位礼正殿の儀』は、新天皇が即位を宣明する“高御座”、新皇后が“御帳台”にのぼります。一連の即位儀式の中心となる儀式で、国民は生中継で見ることができるでしょう。天皇・皇后や皇族は古式ゆかしい装束姿で臨みます。

 皇后となる雅子妃殿下はいわゆる十二単で髪はおすべらかしという『宮中祭祀』と同様のお姿になるわけですが、慣れておられないでしょうから、ご負担は大きいでしょう

 現在は京都御所・紫宸殿に保管されている高御座は、奈良時代以降の天皇の即位儀式で使われてきたもので、高さが約6・5メートル、重さは約8トン。

 御帳台は高御座とほぼ同じつくりで大きさがひと回り小さいのだが、この儀式は“費用面”で欠席しづらいものだという。

「『即位礼正殿の儀』に雅子妃殿下が絶対に出席しなければならないというわけではありません。しかし、高御座と御帳台は京都御所からの移送と修繕費用で約5億円かかりますので、なんとか出席していただきたいですね。

 前回の例でいうと、この儀式が終わると、その日に『祝賀御列の儀』と『饗宴の儀』の1回目があり次の日から『饗宴の儀』が3日間6回、『園遊会』、『一般参賀』などが続きますので、この時期のご負担はそうとう大きいものになります」

 日本中が注目する来年5月のお代替わり。雅子さまは、どんなお姿を私たちに見せてくれるのだろうか─。

*記事内容に一部誤りがありましたので、修正しました(2018年5月23日17時07分)