『シカゴ』『キャバレー』など多くの名作ミュージカルを手がけた、ジョン・カンダー&フレッド・エップの華やかな楽曲も、今作の大きな魅力だ。

「古きよきアメリカという感じの明るい楽曲。横揺れのスイング系のメロディーで、今まで歌ったことがないタイプの歌なので難しいですが、低い音域もちゃんと届けられるようにするのが課題です」

もっとうまくなりたい
もっと成長したい

 近年、多くのグランドミュージカルに出演して、実力を評価されている相葉さんだが、ミュージカル俳優を目指してきたわけではないと言う。

相葉裕樹 撮影/伊藤和幸
相葉裕樹 撮影/伊藤和幸
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「いくつかの作品に出演させていただくなかで、ミュージカルの面白さがなんとなくわかってきて、続けたいなと思うようになりました。もともとできないところから始まっているので、自分を追い込む環境に身を置くことによって、もっとうまくなりたい成長したいと、より頑張れるんです。だから、頑張らなくてはいけない状況に追い込むことを、やり続けたいと思います」

 ターニングポイントになった作品は、'15年に出演した『ラ・カージュ・オ・フォール』。

「『ラ・カージュ』で日生劇場に立ったときに、“次はどこを目指したらいいんだろう”って思い、帝国劇場を目指し始めたんですよね。苦手な歌を頑張り続けられたのも、そういう目標があったからなんです。続けていくうちに自分自身でも、ちょっとずつステップアップしているのを感じることができて。20代のうちに帝劇の舞台に立ちたいという夢も29歳のときに『レ・ミゼラブル』で叶って、これからも頑張り続けようと思ったんです」

 帝劇の舞台に立てたときの心境は?

いや、怖かったですよ。身が引き締まるというか。この先の未来がここで変わってくるなというのが、すごくあったので公演中、毎日がオーディションのようでした。もちろん、また立ちたいと思いましたし。舞台をたくさんやらせていただけるようになって、目指すべきところが明確に見えやすくなったというのはあるかもしれません」

 最後に読者へのメッセージをお願いします。

「楽しいラブコメディー・ミュージカルになっていますので、ぜひ、劇場にキュンキュンしに来ていただけたらなと思います」

ミュージカル『ウーマン・オブ・ザ・イヤー』
ミュージカル『ウーマン・オブ・ザ・イヤー』

<出演情報>
ミュージカル『ウーマン・オブ・ザ・イヤー』
 その年の最も輝いた女性に贈られる賞“ウーマン・オブ・ザ・イヤー”の授賞式を控えた人気ニュースキャスターのテス(早霧せいな)は、お互い一目惚れでスピード結婚した風刺漫画作家サム(相葉裕樹)との新婚生活もスタートさせ、公私ともに順風満帆のはずだったが……。キャリアウーマンがパーフェクトな人生を目指す、極上ラブコメディー。

【公式HP】http://www.umegei.com/womanoftheyear/

■大阪公演:5月19日~27日@梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
■東京公演:6月1日~10日@TBS赤坂ACTシアター

あいば・ひろき◎1987年10月1日生まれ、千葉県出身。'04年、俳優デビュー。舞台、ドラマ、映画などで幅広く活躍。近年は、『ラ・カージュ・オ・フォール』『レ・ミゼラブル』など、多くのグランドミュージカルに出演。今後は、劇団鹿殺し ストロングスタイル歌劇『俺の骨をあげる』(大阪公演:8月10日~12日/東京公演:8月15日~19日)、ミュージカル『タイタニック』(東京公演:10月1日~13日/大阪公演:10月17日~22日)出演。