“うまくいかない時期”は必要だった

 だが、大谷にも喜怒哀楽が激しい時期があったようで、大学時代のエピソードを明かしてくれた。

大谷亮平 撮影/廣瀬靖士
大谷亮平 撮影/廣瀬靖士
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「母親が様子を見に(地元の)大阪から東京にやってきたんですが、そこで大ゲンカになってキレてしまったんです。そしたら朝、“キレてもいいことはありませんよ”みたいな置き手紙があって。すごく反省して、それから勢いまかせで感情を出すことはなくなりました」

 ほかにも主人公との共通点として“人をきちんと見きわめることができる”と語る。

見きわめるとか、何様だよって感じですよね(笑)。でも僕、しっかり人を見たうえで人間関係を築きたくて、結果的にすごくいい縁に恵まれていると思います。韓国に行ったときも、日本に戻ってきたときもそうでしたが、大事なタイミングで“救世主”のような人に出会ってきた。行き詰まったときもあったけど、その出会いのためにもうまくいかない時期は必要だったんだなって。今の僕があるのも、すべての“縁”のおかげだと思ってます」

 これまでにお金に困ったことは?

「それがあまりないんです。でも、ソウルにいたときは、よく一緒にいた友達がお金に困っていて。僕がカフェに入ろうとしたら“金がないから”って止められ、その友人とはいつも外で缶コーヒーを飲んでいました。年上だったので、おごるにもおごれず……(笑)。それも今となってはいい思い出です」

<出演情報>
映画『ゼニガタ』
 表向きは居酒屋経営者、裏では違法な高金利で金を貸し、債務者を追い込む闇金屋・銭形富男(大谷亮平)。彼のもとには、金を求め、欲望にまみれた“客”が夜な夜な訪れ……。