矯正歯科は認定医を選べばハズレはない

 レベルの差が顕著にあらわれるという分野が、列矯正を行う科医院。矯正科医の坂本先生が指摘する。

「はっきりいって一般科治療よりも玉石混交、各医院によってレベルの差が大きいと思います。

 まず診療科目のいちばん先に矯正が入っていることが大事。いくつもの症例をあげないと、矯正科治療は腕が上がりません。

 矯正科専門の先生がいないのに他の診療科目と並べて矯正科も標榜しているようなところは、矯正科治療を受ける場合には選ばないほうがいいかもしれません」

 また、専門医や認定医かどうかも、判断する際のポイントに。

「矯正科医は、日本矯正科学会の認定医をとるのが難しいので、認定医であることは必須条件かもしれません。専門医は数が少なく、その上に大学での長い勤務経験のある指導医がありますが、認定医を選べば、ハズレはないと思います」(坂本先生、以下同)

 また、設備の充実ぶりも見極めどころ。

「矯正は頭部X線規格写真(セファログラム)といって、撮影したレントゲンから頭部や顔面の状態を分析・診断し、どうやってを動かすかの診断をするためのレントゲン機器など、一般科には通常ない設備が必須。それをそろえているかどうかが重要です」

 また、にブラケットをつける位置も重要だ。坂本先生のクリニックに不安を胸にセカンドオピニオンとして訪れる患者の中には、あきらかに変な位置についていることがあるそうだ。

「矯正科治療中はがガタガタになることがあるんです。それでも、ブラケットが正しい位置について治療のゴールが見えていれば大丈夫ですが、非常に心配になるケースもあります」

 矯正専門ではない一般科で、週に数回、矯正の担当医が治療を行うクリニックもある。腕は確かなのだろうか?

「若くて上手な先生もなかにはいますが、症例が多いほど判断力がつき腕が上がるのが矯正治療の世界。年齢が高めのほうが経験豊富で腕はいいかもしれません」

 科は専門が細分化されている。目的に合った先生を選ぶのがベストだ。


【この3人に伺いました】
若林健史先生
科医。若林科医院院長。長年、周病治療に従事し、つねに最新の治療を行う第一人者。日本周病学会理事、日本周病学会専門医・指導医、日本臨床周病学会副理事長

坂本紗有見先生
矯正科医。銀座並木通りさゆみ矯正科クリニック院長、日本矯正科学会認定医。30年近く矯正一筋のプロ中のプロ。ていねいで熟練した腕前の治療が好評。

遠山敏成先生
科医。マイスター春日科クリニック院長。「日本顎咬合学会学術大会」において優秀発表賞を受賞。最新技術を取り入れた治療が好評。