野村宏伸

「舞台ではどちらかといえばコメディーを中心にやっていたので、犯人役と聞いて新鮮でしたし、面白そうだなと思い(出演を)お受けしました」

 こう語るのは、野村宏伸(53)。

 彼が出演する舞台『希望のホシ2018』は、元宝塚男役スターの緒月遠麻、池田努、金児憲史らによる刑事劇の続編。3年ぶりの上演に参加する野村は、記憶喪失になった元暴力団員を演じる。

前半と後半でキャラクターがガラリと変わっていくので、2役みたいな感覚です。

 題名どおりのストーリーになっていて、犯人であっても希望があり、救われる部分があるんです。見てくださったお客さんが元気になってもらえるような作品になっていると思います

 1984年に映画『メイン・テーマ』で薬師丸ひろ子の相手役でデビュー。初舞台は、’99年の『太陽と月に背いて』で主演した。

「それまでは舞台をお断りしていました。映画でデビューしたこともあって映像にこだわっていました。

 映画はワンシーンワンカットで、撮り直すこともできるけど、舞台はスタートしたら最後までノンストップで演じ切らないといけない。当時の僕には舞台ができる自信がなかった。できない不安や(セリフを)覚えられないとか、ちょっと怖かったんです

 でも30歳ぐらいになると俳優として行き詰まっていました。これから先も俳優として生きていくためには、大人の芝居や演技力が求められてくると思い始めていて、舞台を経験しないと、この先の俳優人生がないのではないかと考えて、あえて挑戦してみようとやりました

 初舞台での感覚は今でも覚えている。

「前日は緊張感で眠れなかったし、初日は全身ガクガクでした。でも舞台後の爽快感、千秋楽の達成感に、映画もいいけど舞台のよさを味わうことができました。

(役者のなかには)舞台を2度とやりたくないという方もいるでしょうが、僕は、また舞台をやってみたいという気持ちで終われました。それ以降は、年1本ぐらいのペースでやるようになりました