善明さんと親交があった70代の男性は、

「娘とはあまり仲がよくないと聞いたことがあるが、夫婦は一緒に買い物に行ったりして仲はとてもよかった」

 と振り返る。

 救助に当たった前出の男性が連行時の様子を見ていた。

「白っぽいTシャツにジーパン。ふっくらした女性でした。初めて見る人で、そのときは誰なのかわかりませんでした」

 一家は長女を除く3人暮らしだったとみられる。しかし、次女が同居していたことを知らない周辺住民は多く、90代の古参住民も、

「奥さんは腰が悪い私をねぎらってくれたり、世間話はしましたが、娘さんの話は聞いたことがありませんでした」

 近隣の住民でさえ、

「2人暮らしだと思っていた」

 と口をそろえた。

 休日はおろか、お盆や正月を含めても、住民が姿を見かけるのは老夫婦だけ。美紀子容疑者は仕事も結婚もせず、社会との接点を絶ってほとんど外出しない生活を送っていたようだ。

 善明さんと親交のあった前出の男性によると、同容疑者は近くにアパートを借り、月に数回、実家に戻る生活をしていた時期もあったという。親子そろって存在を隠していたようにも思える。

 しかし最近、気になる変化があったという。