地球規模だと北A南O・西A東B

 血液型の分布、世界に目を向けてみると?

「“北A南O”“西A東B”という傾向があります。北欧にはA型が多く、南欧に向かうにつれO型が増えていき、アフリカになると人口の6割がO型です。南アメリカの原住民には“全員O型”という種族もあるほどです」(永田教授)

 東西で見てみると、

「ヨーロッパにはA型が多く、東に向かうにつれてB型が増えます。東南アジアの国になると3〜4割がB型です」

血液型性格診断が好きなのは日本だけ

 A型は几帳面、B型はマイペース、O型はおおらか、AB型は芸術家肌……。日本人は血液型別の性格診断が大好きだが、

「日本人の4:3:2:1という血液型分布が影響していると思います。4つの血液型タイプが、ほどよく距離を保って共存しているため、四者四様の比較が成り立ちます。世界を見渡しても、こんなうまい具合に血液型が分布している国はそうありません」(藤田名誉教授)

 ゆえに外国では血液型別性格診断に興味が持たれていないという。さらに、永田教授によると、外国人は自分の血液型を知らないことも多いという。

「軍隊にでも入らない限り、あえて血液型を調べたりしません。輸血が必要なケガをした場合に初めて知ることもあるようです」

血液型性格診断の歴史

「最初に血液型と性格を関連づける研究を行ったのは、東京女子高等師範学校(現・お茶の水女子大学)の古川竹二教授です。1927年、『心理学研究』という雑誌に、それぞれの血液型の気質と精神的特徴を発表しました」(藤田名誉教授)

 その内容は、A型は内気で取り越し苦労、B型は気楽で外面的に積極性がある、O型は意志が強い、AB型は矛盾があって判断しにくい……といったもの。

「ただ、実際に血液型と性格の関係が広く関心を集めるようになったのは、1970年に能見正比古氏の『血液型人間学』がベストセラーになってからです」